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位置度を考える上で重要な「最大実体公差」の「動的公差線図」産機設計者が解説「公差計算・公差解析」(14)(4/4 ページ)

機械メーカーで機械設計者として長年従事し、現在は3D CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者が公差計算や公差解析、幾何公差について解説する連載。第14回は、位置度を考える上で重要な最大実体公差の「動的公差線図」について取り上げる。

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最大実体公差方式を用いた部品の測定方法

 これまで各幾何公差を設定した部品の測定方法についても説明してきましたが、最大実体公差方式を用いた部品の測定方法は、3次元測定器により測定可能です。筆者の所属する企業では、個別受注生産で一品一様な部品となるため、この測定方法でもよいのですが、大量生産の場合、3次元測定器を用いていては時間がかかり過ぎてしまいます。

 そこで使用されるのが「ゲージ(Gauge)」です。「検査ゲージ」と呼ばれるゲージは、

  • 全数検査ができる
  • 測定作業者のバラツキが出づらい
  • 作業性が良い

といった特長があります。このゲージについても、最大実体公差と幾何公差を考慮した上での、「ゲージを用いた設計の考え方」がありますが、ここでは割愛します。



 さて、今回は幾何公差の種類の1つ「位置度」の説明を行う中で、最大実体公差方式の基本的な内容を解説しましたが、真直度、平行度、直角度、同軸度といった他の幾何公差についても、最大実体公差方式は適用可能です。筆者も引き続き学習と実践を行わなければなりません。皆さん、ぜひ一緒に勉強していきましょう。

 次回は、残る幾何公差について説明を行います。お楽しみに! (次回に続く)

Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛ける株式会社飯沼ゲージ製作所で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)の代表リーダー・事務局も務める。



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