商用組み込みLinuxのCI/CD提供を開始:組み込み開発ニュース
ウインドリバーは、商用組み込みLinux「Wind River Linux」のCI/CDの提供を開始すると発表した。ユーザーは2〜3週間ごとに更新される新リリースにアクセスして、新機能や修正を取り入れられる。
ウインドリバー(Wind River Systems)は2020年2月12日(米現地時間)、同社の商用組み込みLinux「Wind River Linux(WRL)」のCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の提供を開始すると発表した。ユーザーは2〜3週間ごとに更新される新リリースにアクセスして、新機能や修正を迅速かつ継続的に取り入れられる。
WRLサブスクリプションは、上流のWRLコンテンツに対して、年間および長期サポート(LTS)リリースで提供されている共通脆弱性識別子管理や技術サポートといったセキュリティアップデートを提供する。DevOpsに対応するほか、CI/CD開発モデルのインフラを持たない組み込みシステム開発者も、サポートを通じて容易にCI/CDを取り入れられる。頻繁なソフトウェア更新と継続的なセキュリティモニタリングに対応し、小さな変更もすぐに実装できるようになる。
WRLは商用グレードの「ISO 9001:2015」認定を受けている。また、「OpenChain」の認証も取得しているため、ソフトウェアソリューション構築の基となるオープンソースライセンスを信頼して使用できる。
また、WRLは、DockerやKubernetesといったフレームワークのためのコンテナ、ツール、ドキュメンテーション、サポートを含む。コンテナとOSを個別かつ非同期的に更新する機能を追加しているため、ホストOSの更新や再起動をすることなく、コンテナでのアプリケーションを更新可能で、組み込みシステム開発者にとって利便性と柔軟性が向上している。
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