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組み込みLinuxの弱点は克服されたのか?組み込みLinux業界動向2006(1/2 ページ)

2004年11月に、組み込みLinuxが抱える弱点を指摘した。あれから約2年。果たして弱点は克服されたのか?

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採用が増えた組み込みLinux

 組み込み機器は、コンピュータを適用する分野としてますます活況を呈している。携帯機器や車載機器、家電製品などなど、高機能化はとどまるところを知らず、システム開発の複雑さが増している。

 一方では、タイムリーな市場投入のために、開発期間の短縮が望まれている。これらの相反する課題を解決する一手段として、高機能な汎用OSを採用することによる生産性向上がある。このような背景の中で、組み込み機器向けに最適化されたLinux、すなわち「組み込みLinux」の採用が進んできたのは、2004年に掲載された「組み込みLinux業界動向」で述べたとおりである。

 具体的なデータで見てみよう。日本システムハウス協会(現組込みシステム技術協会)およびトロン協会による「組込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査報告書」は、前出の記事でも紹介した。この2003年度版と2005年度版から、「組込みシステムに組み込んだOS」を抜粋したグラフを以下に示す。

組込みシステムに組み込んだOS
グラフ 組込みシステムに組み込んだOS
出典:「組込みシステムにおけるリアルタイムOSの利用動向に関するアンケート調査報告書」
2003年度(http://www.assoc.tron.org/jpn/research/data/survey2003J.pdf)
2005年度(http://www.assoc.tron.org/jpn/research/data/survey2005J.pdf)

 ここで特徴的なのは、LinuxやWindowsといった汎用OSの増加と、OS不使用の大幅な減少である。

 特にLinuxは3.7ポイントの増加で、最も大きく伸びている。これほどまでにLinuxの採用が伸びているのはなぜか? Linuxは組み込み機器にとって、使いやすいOSに成長したのか? 「組み込みLinux業界動向」で取り上げた4つの課題を振り返り、その後約2年が経過してどのように状況が変化したか見ていく。


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