ロボットと制御機器を一体シミュレーション、設計負担軽減と立ち上げ短期化に貢献:FAニュース
オムロンは2020年3月25日、ロボットと周辺機器の動きを統合検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年4月から発売すると発表した。
オムロンは2020年3月25日、ロボットと周辺機器の動きを統合検証できるシミュレーションソフトウェア「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を同年4月から発売すると発表した。
「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」は、オムロンの制御用コントローラー「NJ/NXシリーズ」のプログラミング用ソフト「Sysmac Studio」にシミュレーション機能のオプションライセンスを追加するだけで、生産設備の動作シミュレーションを簡単に実現するというものだ。
従来の生産設備のシミュレーションソフトは、ロボット用のものと制御機器用のものが分かれており、個々にシミュレーションを行う必要があった。そのため、ロボットを組み込んだ生産ラインなどでは設備設計の負担となっていた。「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を使えば、ロボットとその他周辺機器を一括で制御、検証できるようになるため、設備設計の効率化と設備の生産能力向上を簡単に実現できるようになる。
シミュレーション動作はエミュレーター方式で、実機の動作やリアルタイム性も高精度でシミュレーションできる。また、設備を実際に立ち上げる前にデジタル上で見える化し、動きの事前検証を行えるため、設備の生産能力の確認や立ち上げ、改造にかかる時間を短縮できる。設備稼働後は、実機の動作状況をデジタル上で確認し、モニタリングできるため、異常時の原因解明の短期化を実現できる。
さらに、「Sysmac Studio 3Dシミュレーション」を使うことで、設備設計の早い段階で、設備の仕様設定を担うメカ設計者と、設備の制御プログラミングを担う電気設計者が協議しながら並行して設計できるようになるため、設備立ち上げ時のミスや後戻りを防止し、短期での立ち上げが可能となる。また、デジタル化された過去資産の再活用による、次回設備の立ち上げ容易化などにも貢献する。
関連記事
- 工場データの活用進める安川電機、モーション情報を統合する新コントローラー披露
安川電機は「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、同社が提案する新たなモノづくりコンセプト「i△△3△△-Mechatronics(アイキューブ メカトロニクス)」を体現するデモラインを披露。新たにモーション制御領域におけるデータ活用を活性化する独自の「YRMコントローラー」を参考出品として披露した。 - バラ積み部品を高速認識、オムロンがロボットハンドに搭載できる3D認識技術を披露
オムロンは「IIFES2019」(2019年11月27〜29日、東京ビッグサイト)において、ロボットハンドに搭載し、バラ積み部品を高速に認識する3D画像センシング技術を披露した。また、より小型の部品を認識できる技術も参考出品した。 - AIとロボットの組み合わせは工場自動化に何をもたらし、何をもたらさないのか
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2019年1月22日、大阪市内でセミナー「MONOist IoT Forum in 大阪」を開催した。大阪での同セミナー開催は3度目となる。中編では特別講演のOKIデータ 生産統括本部 LED統括工場 生産技術部 第2チームチームリーダーの新井保明氏と、同社技術開発本部 要素技術センターチームリーダーの谷川兼一氏による講演「ロボットを用いたAI生産システム」の内容を紹介する。 - 「ロボットはPCと同じ道をたどる」PFNが描くロボットの将来像
「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉県・幕張メッセ)の基調講演にPreferred Networks(以下PFN)代表取締役社長兼最高経営責任者の西川徹氏が登壇。「全ての人にロボットを〜Robots for Everyone」をテーマに講演した。 - いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。 - 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.