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産業用ロボットの共通インタフェース「OPC UA for Robotics」が目指す世界いまさら聞けない「OPC UA for Robotics」入門(1)(1/3 ページ)

産業機器のインタフェース共通化を目指すOPC UAのコンパニオン仕様の1つに、産業用ロボットを対象とする「OPC UA for Robotics」がある。本連載では「OPC UA for Roboticsとは何か、何ができるのか」について、想定される活用シーンとともに紹介する。第1回の今回はOPC UA for Roboticsが生まれた背景やその目的を解説する。

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 産業機器のインタフェース共通化を目指すOPC UAのコンパニオン仕様の1つに、産業用ロボットを対象とする「OPC UA for Robotics」がある。本連載では「OPC UA for Roboticsとは何か、何ができるのか」について、想定される活用シーンとともに紹介する。第1回の今回は「OPC UA for Robotics」が生まれた背景やその目的を解説する。

 なお、本稿で対象とする「ロボット」は、サービスロボットではなく、溶接や組み立て、搬送などの産業用途で使われるマニピュレータ型ロボットや自律搬送ロボットを指している。

「OPC UA for Robotics」とは何か

 「OPC UA for Robotics」は2019年7月に「OPC UA」のコンパニオン仕様の1つとしてリリースされたものだ。

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「OPC 40010-1, OPC UA Companion Specification for Robotics, Part 1: Vertical Integration」(クリックでWebサイトへ)出典:VDMA

 「OPC UA」は、産業用アプリケーションの相互運用に必要な情報交換を実現するアーキテクチャ技術仕様である。OPC Foundationが規格策定や運用を進めており、オープンかつプラットフォーム非依存の高い相互運用性を特徴としている。さらにOPC UAは、扱うデータを階層化し意味付けする「情報モデル」を持つことができる。この情報モデルを定義するのがOPC UAの「コンパニオン仕様」である。OPC Foundationは、このコンパニオン仕様を産業界ごとに定めることで、さまざまな機器間の情報連携を支援している。

 「OPC UA for Robotics」はそのコンパニオン仕様の1つであり、産業用ロボットとその周辺機器を対象にしたものだ。対象機器および他の産業機器の有機的な相互接続による高度な自動化・効率化を目指しているが、第1弾として先にリリースされたのが「OPC 40010-1, OPC UA Companion Specification for Robotics, Part 1: Vertical Integration(OPC UA for Robotics)」である。

 これまでにも、ロボットのインタフェース共通化を目指した取り組みは存在したものの、標準規格として統合されたインタフェースは「OPC UA for Robotics」が初めてだといわれている。

「OPC UA for Robotics」が生まれた背景

 一般的に産業用ロボットは、複数の駆動軸や関節軸、複雑な機構を持つものが多く、その制御には高度な技術や工夫が求められる。これらが産業用ロボットメーカー各社でしのぎを削る競争軸でもあり、各社はそれぞれが得意とする技術を詰め込んだロボット機構とその制御装置(コントローラー)をセットで開発し、販売している。

 ロボットを使用するエンドユーザーや、ロボットシステムを導入するシステムインテグレーター(ロボットSI)は、一般的にはこのロボット機構とコントローラーのセットを購入する。さらに、グリッパや溶接トーチなどの手先装置や周辺機器を組み合わせ、相互に接続してロボットシステムを構築する。複数のロボットシステムや機器を組み合わせた、さらに大規模なシステムが構築されることも多い(図1)。この場合、複数のロボットコントローラーを統合管理する上位コントローラーやモニターを設けることになる。

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図1 ロボットシステムのイメージ(2019 国際ロボット展 安川電機ブース)(クリックで拡大)出典:安川電機、撮影:MONOist編集部

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