IoTとAIで製造業が直面する“外敵”と“内なる敵”
この編集後記は日々の仕事の中で感じたことをざっくばらん(?)に書いているのですが、直近では新型コロナウイルスの影響が気になって仕方ないというのが正直なところです。2月19〜21日開催の「国際物流総合展2020」を取材しましたが、説明員の方だけでなく来場者のマスク装着率は相当なものでした(当たり前ですが)。この国際物流総合展2020では出展を中止している企業はほぼ見掛けなかったのですが、2月26〜28日に幕張メッセで開催される「日本ものづくりワールド2020」は、NEC、富士通、キヤノンなど大手企業が出展中止を表明しています。
3月3〜6日開催の「リテールテックJAPAN2020」も、パナソニックが出展を取りやめていますし今後もこういった動きは続きそうです。同様に記者会見の中止も続いているのですが、われわれ編集記者にとって貴重な取材機会が奪われていく状況はなかなか厳しいものがあります。
関連してというわけではありませんが、エレクトロニクス技術メディアのEE Times Japanに以下のような記事が掲載されていました。
いつもなら「中国の半導体業界すげぇな、700社もフォトマスク市場に参入すんのかよ」と思いますが、日本国内でも品不足が顕著な方のマスクを生産する話でした。EE Times Japanでフォトマスクやマスクブランクスじゃないマスクの記事が出るんですから、現状が大変なのは確かです。
さて、新型コロナウイルスの話から一転、現在のMONOistの中核テーマである製造業のIoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)の活用で興味深い話を聞いたので簡単に紹介しましょう。今、製造業は“外敵”だけでなく“内なる敵”にも直面しているというのです。
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