ホンダが四輪事業強化で一体運営に体制変更、MaaS新会社も:製造マネジメントニュース
ホンダは2020年2月18日、4月1日付で実施する事業運営体制の変更を発表した。2030年ビジョンの実現に向けて、既存事業の“盤石化”と、将来の成長に向けた仕込みを加速させる体制とする。
ホンダは2020年2月18日、4月1日付で実施する事業運営体制の変更を発表した。2030年ビジョンの実現に向けて、既存事業の“盤石化”と、将来の成長に向けた仕込みを加速させる体制とする。
四輪事業は、営業と生産、開発、購買の各領域が自立した「協調運営体制」から、2019年4月に体制変更を実施した二輪事業と同様に各領域を統合した一体運営体制に変更する。これにより、四輪事業全体を捉えながらフレキシブルに環境変化に対応する戦略を立案し、より精度の高い企画に基づく開発を実現するとともに、開発から生産まで一貫した効率の良いオペレーションによってモノづくりを進化させる。
具体的には、本田技研工業の生産本部と購買本部、事業管理本部の四輪機能と、本田技術研究所の四輪商品開発機能(デザインなど一部機能を除く)、ホンダエンジニアリングの四輪向け生産技術開発、設備製造機能を「四輪事業本部」に統合。こうした事業運営体制の変更に伴い、既存の生産本部と購買本部は解消する。ホンダエンジニアリングは生産技術の研究開発機能の一部を本田技術研究所に移管した上で、本田技研工業に吸収合併する。
四輪事業本部の下には、事業統括部、ものづくりセンター、生産統括部、SCM統括部、営業統括部を配置する。生産統括部は、商品の生産に加えて、グローバルでの生産品質の管理と高位平準化を担う。営業統括部は地域と一体となった営業戦略を立案、実行する。また、各商品群の企画から量産立ち上げまでを一貫して統括する責任者として「ビジネスユニットオフィサー」を置く。
本田技術研究所は
本田技術研究所は、2019年4月に変更した事業体制から部門を減らし、新たなモビリティやロボティクス、エネルギー分野など、新しい価値の商品や技術の研究開発に集中する。本田技術研究所の下にある先進技術研究所は、知能化や生産技術、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)などの研究開発機能を追加し、新しい価値の創造に向けた機能を強化する。
また、新たに先進パワーユニット・エネルギー研究所を新設し、二輪や四輪、発電機や蓄電機などパワープロダクツ、ジェット機のパワーユニット開発やエネルギー技術の研究開発機能を統合する。これにより、パワーユニット領域でホンダの強みを発揮し、商品価値向上につなげる。デザインセンターも新設し、二輪、四輪、ライフクリエーション分野のデザイン機能を統合する。商品の枠を超えたブランド強化を図る。既存部門のオートモービルセンターとデジタルソリューションセンターは本田技研工業に統合する。
コネクテッドサービスとMaaS向けにも体制変更
コネクテッドサービスやMaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)の事業化加速に向けては、各部門に分散していた戦略企画や開発、事業推進の機能を統合してモビリティサービス事業本部を設ける。ホンダ全体の製品や事業の幅広さを生かしたサービスの企画、開発に取り組むとともに、意思決定のスピードを高める。
これに合わせて、日本でのモビリティサービス事業を担う新会社ホンダモビリティソリューションズを設立する。新会社の代表取締役社長は高見聡氏が務める。資本金は1億円で、本田技研工業の完全子会社となる。
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