プラットフォーム戦略でデスクトップ版のSOLIDWORKSはどうなる? ブランドCEOに聞いた:3DEXPERIENCE World 2020(3/3 ページ)
3DEXPERIENCEプラットフォームとつながり、できることの幅が格段に広がる「SOLIDWORKS」。年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2020」で発表された新たなポートフォリオ「3DEXPERIENCE WORKS」によってもたらされる可能性を感じつつも、いくつかの疑問も湧いてきた。その答えを、SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏に聞いた。
実際のところどうなるのか? インタビューを終えて
複数のメディアもいる中、限られた時間でこの3問に絞って話を聞いてみた。今後、SOLIDWORKSは、デスクトップ版の提供を継続するとしながらも、方向性としては3DEXPERIENCEプラットフォームとつながり、必要に応じて他のロールと組み合わせながら、さまざまな機能(アプリケーション)を活用していくというのが、基本の流れになっていくのだろう。
しかし、バッシ氏が述べたように、SOLIDWORKSのデスクトップ版のユーザーは世界中に数多くいる。その人たちの現場で3DEXPERIENCEプラットフォームが絶対に欠かせないものなのかというと、(現時点では)必ずしもそうではない。ただし、今後の新機能などについては、基本的に3DEXPERIENCE WORKSのロールに組み込まれた形で提供されるとのことなので、クラウド利用が許される企業から次第に移行が進んでいくのではないだろうか。
そういう意味では、日本の伝統的な企業がいきなり、(外部の)プラットフォームを採用するというのは少し考えづらい。別の記者の質問に対する回答にもあったが、初期投資をできるだけ抑え、柔軟なライセンス運用ができ、スピーディーなモノづくりが要求されるようなスタートアップ企業や、大前提であるクラウド利用に抵抗感の少ない中小企業などの方が、当面は親和性が高いといえるだろう。
いずれにせよ、3DEXPERIENCE WORKSという新たなポートフォリオは発表されたばかりだ。今後の動向、特に国内での展開については引き続き注目していきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- もしもプラットフォームがあったならSOLIDWORKSユーザーの業務フローはこう変わる!
3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の可能性の扉を広げる「3DEXPERIENCE WORKS」。その根幹を支える3DEXPERIENCEプラットフォームがもたらす価値とは何か。年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2020」の2日目に行われたゼネラルセッションの内容を基に、ストーリ仕立てでその効果や活用メリットについて掘り下げていく。 - SOLIDWORKSユーザーが求める機能を1口サイズで提供する「3DEXPERIENCE WORKS」
3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2020」において、プラットフォーム思考による変革を後押しする「3DEXPERIENCE WORKS」の詳細が明かされた。SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏の講演内容を詳しく見ていこう。 - プラットフォーム思考がSOLIDWORKSユーザーを新次元へ、3DEXPERIENCE World開幕
2020年2月9日(米国時間)、SOLIDWORKSの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2020」が米国テネシー州ナッシュビルで開幕した。長年親しまれてきた「SOLIDWORKS World」から名称を変更し、プラットフォーム思考による新たな価値を世界中のSOLIDWORKSユーザーに示す。 - プラットフォーム思考へと舵を切る「SOLIDWORKS」――3DEXPERIENCE.WORKS戦略がもたらす価値とは
SOLIDWORKSブランド 最高経営責任者(CEO)のジャン・パオロ・バッシ氏が3年ぶりに来日。年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2019 東京」の主催者講演で「無限の可能性がここにある〜 Where Possibility Takes Form」をテーマに、SOLIDWORKSのこれからの方向性について語った。 - 新たにフレキシブル構成部品を追加した、SOLIDWORKSの最新版を発表
Dassault Systemesは、「SOLIDWORKS」の最新版「SOLIDWORKS 2020」と「3DEXPERIENCE.WORKS」ポートフォリオの新ソリューションを発表した。SOLIDWORKS 2020では「ディテイリング」モードが強化され、「フレキシブル構成部品」が追加された。 - ダッソーのマネージング・ダイレクター交代、後任はフィリップ・ゴドブ氏
ダッソー・システムズは、山賀裕二氏がマネージング・ダイレクターを退任し、2019年12月9日付でフィリップ・ゴドブ氏が同社マネージング・ディレクターに就任したことを発表。同時に、ゴドブ氏はソリッドワークス・ジャパンのマネージング・ダイレクターも兼任する。