SOLIDWORKSユーザーが求める機能を1口サイズで提供する「3DEXPERIENCE WORKS」:3DEXPERIENCE World 2020(2/3 ページ)
3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2020」において、プラットフォーム思考による変革を後押しする「3DEXPERIENCE WORKS」の詳細が明かされた。SOLIDWORKSのブランドCEOであるジャン・パオロ・バッシ氏の講演内容を詳しく見ていこう。
必要な機能を1口サイズで提供、プラットフォームならではの魅力
3DEXPERIENCE WORKSという枠組みの中には、3DEXPERIENCEプラットフォーム上で動作する無数のアプリケーションが存在し、それらは特定の業務/タスクごとにひも付く「ロール」に内包されて提供される。「必要な機能(アプリケーション)を1口サイズにして提供するイメージだ。自分の業務に必要なものだけを使ってもらえるようにした」とバッシ氏は説明する。例えば、「3D Creator」というロールの中にはWebブラウザベースの設計ツール「xDesign」が含まれるし、「3D Sculptor」というロールには同じくWebブラウザベースのサブディビジョン(Sub-D/細分割)モデリングツール「xShape」が含まれる。また、3DEXPERIENCE WORKSを活用することで、クラウドの3DEXPERIENCEプラットフォーム上でのデータ管理、バージョン管理などが可能となり、どのアプリケーションからでもシームレスにデータに直接アクセスできるようになる。
ちなみに、ロールとアプリケーション(Apps)との関係は必ずしも1対1ではなく、プロジェクト管理に関するロール「Collaborative Business Innovator」や、データ共有/コラボレーションに関するロール「Collaborative Industry Innovator」のように、1つのロールの中に複数のアプリケーションが含まれることもある。
SOLIDWORKSのユーザーが、3DEXPERIENCE WORKSで提供されるロール群を使用するには、前提として使用するSOLIDWORKSが3DEXPERIENCEプラットフォームと接続されていなければならない。そのため、デフォルトでクラウドに接続され、SOLIDWORKS自体のインストールも3DEXPERIENCEプラットフォーム上から行う「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」を提供する(※注)。もちろん、データの保存場所も標準で3DEXPERIENCEプラットフォーム上に格納される(ローカルへの保存も可能とのこと)。この3DEXPERIENCE SOLIDWORKSは、自動的にバージョンアップが適用され、常に最新バージョンでの利用が可能。そのため、バージョン違いによるデータの受け渡しやソフトウェアの更新作業の手間も不要となる。
※注:デスクトップ版「SOLIDWORKS」の提供がなくなるわけではなく、これまで通り投資を続け、進化させていくことに変わりはないとのことだ。
なお、デスクトップ版のSOLIDWORKSでも3DEXPERIENCEプラットフォームに接続するためのオプションのコネクターソフトウェアが用意されており、これを導入すればプラットフォーム上でのデータ管理も行えるとのことだ。
「3DEXPERIENCE WORKSの枠組みの中では、誰もが全ての共通したデータ/情報につながるため、プロセス間でのギャップや業務の分断が起こることがない。設計のみならず、コンセプトデザイン、シミュレーション、製造、サービス、マネジメント業務において全てがつながり、統合管理された環境が手に入る。リアルタイムで今まさに設計しているものをチームやクライアントなどに共有することも可能だ。これまでバラバラだったプロセスが継続的なループとなり、最新のデータや状況を常に把握できるようになる」(バッシ氏)
「3DEXPERIENCE WORKS」により、設計のみならず、コンセプトデザイン、シミュレーション、製造、サービス、マネジメント業務において全てがつながり、統合管理された環境が手に入る[クリックで拡大]
さらに、使用するロールを自由に選択できるため、無駄な投資を行う必要がなくなり(本当に必要な機能にだけ投資できる)、3DEXPERIENCEプラットフォームもサブスクリプション方式での提供となるため、初期投資が抑えられるという利点もある。また、例えば3DEXPERIENCE WORKSで提供されるSIMULIAの高度なシミュレーション機能などを活用して、設計の初期段階から品質を上げておくことで、試作回数を減らし、コスト削減につなげることも可能だ。
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