アイシン精機が広告配信の実証実験、移動中のクルマがマーケティング対象:モビリティサービス
アイシン精機は2020年2月7日、愛知県内において次世代広告システムの実証実験を行うと発表した。知多半島エリアで、2020年3月から開始する。同県常滑市のイオンモール常滑や、愛知道路コンセッションと協力し、移動に着目したマーケティングツールによる新たな顧客関係の構築を目指す。
アイシン精機は2020年2月7日、愛知県内において次世代広告システムの実証実験を行うと発表した。知多半島エリアで、2020年3月から開始する。同県常滑市のイオンモール常滑や、愛知道路コンセッションと協力し、移動に着目したマーケティングツールによる新たな顧客関係の構築を目指す。
次世代広告システムでは、目的地やクルマの位置、道路の混雑状況に合わせて、車内を楽しませる音声コンテンツや、目的地とその周辺の店舗や施設のサービスや商品に関する音声広告を配信する。これにより、移動中の顧客に的確にアプローチするマーケティングを行うという。
コンテンツや広告の配信に当たっては、アイシン精機が開発した「リズムプラットフォーム」によって予測した移動中の乗員ステータスを活用する。リズムプラットフォームは、カーナビゲーションシステムの開発がベースになっており、乗員の感情や行動の傾向と、リアルタイムに検出されたさまざまな情報を基にしている。人口減少によって市場が縮小傾向にある日本の小売業界に向けて、次世代広告システムを提案し、顧客との関係性や信頼性の向上、ひいては収益性向上に貢献することを目標とする。
アイシン精機は、コネクテッドカーの深化に向けて、車載システムの情報とメカシステムを連携させ、新たなサービス提供のための技術開発を進めている。車両のサスペンションやブレーキ、各種センサーといった情報に、地図情報や位置情報などオープンデータの分析を組み合わせることにより、生活や社会に寄り添うサービスを目指している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- レクサスの安全システムをトヨタ車で民主化、ハード変更せずにコストを抑制
トヨタ自動車は2020年2月3日、東京都内で記者向けに説明会を開き、運転支援システムパッケージ「Toyota Safety Sense」や今後の安全システムの展開を発表した。 - 通院や往診が難しい地域に「医療MaaS」でオンライン診療、フィリップスとMONET
フィリップス・ジャパンは2019年11月26日、長野県伊那市において、同年12月から医療MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)の実証事業を行うと発表した。看護師と各種医療機器を乗せた「ヘルスケアモビリティ」が患者宅を訪問し、医師が遠隔からオンラインで診療できるようにする。実証事業の期間は2021年3月末までで、フィリップス・ジャパンは伊那市やMONET Technologiesと協力して取り組む。 - トヨタがデジタルツインで街づくり、移動、生活、インフラの新技術を試す
トヨタ自動車は消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2020」(2020年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)において、静岡県裾野市に設置する実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクトを発表する。モノやサービスをつなげる環境を整え、実際に人が住んで生活しながら、自動運転車やカーシェアリング、コネクテッドカー、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホームなどの活用に向けた実証を行う。 - 日本交通とDeNAが配車アプリ事業を統合、MaaS領域の展開を加速
日本交通ホールディングスとディー・エヌ・エーは、タクシー配車アプリの事業統合に合意した。約10万台の車両を配車可能な「国内最大のモビリティサービス」が誕生する。 - MaaSの次世代戦略で各社が重視する、4つの分野とは
矢野経済研究所は2019年12月12日、MaaS(Mobility-as-a-Service、自動車などの移動手段をサービスとして利用すること)関連企業の次世代戦略を調査した結果を発表した。 - 次世代モビリティの姿、自動運転、MaaS、エアモビリティ、地域連携がキーワードに
「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)、「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)の関連イベントとして2019年10月18日、リレーカンファレンス「Mobility Summit〜近未来の移動空間の姿を浮き彫りに!〜」が開催された。Society 5.0具現化に向けたスマートモビリティによる、近未来の姿を自動運転、MaaS、エアモビリティ、地域連携をキーワードに展望し、新たなイノベーションの社会実装の可能性を議論した。