トータルコストを削減、プリント基板CADソフトの有償アップグレード版:CADニュース
アールエスコンポーネンツは、プリント基板CADの有償アップグレード版「DesignSpark PCB Pro」を発売した。試作から本設計までのトータルコスト削減に寄与するとともに、幅広い産業分野での需要拡大を狙う。
アールエスコンポーネンツは2020年1月22日、プリント基板CAD「DesignSpark PCB」の高機能な有償アップグレード版「DesignSpark PCB Pro」を発売した。価格は、永久ライセンスで6万円(税別)となる。
DesignSpark PCBは、無料提供の電子設計用プリント基板CADソフトウェア。回路図面、基板配線図、ガーバー、部品表の作成、およびケース設計用3Dデータの出力に対応する。高機能なアップグレード版DesignSpark PCB Proを低価格で提供することで、試作から本設計までのトータルコスト削減に寄与する。また、電子機器メーカーだけでなく、IoT(モノのインターネット)の普及を見据えたIT業界や教育業界など、幅広い分野での需要拡大を狙う。
今回のアップグレード版は、無料最新版「Ver9」と同時に発表した。無料版にはない、面付け機能、ブラインドビア、ティアドロップ、ハッチングベタ、ヴァリエーションマネージャなどの新機能に加え、円弧配線、日本語フォント表記、ストックチェック、ODB++出力、3D CAD連携などの機能を標準搭載する。さらに、部品ライブラリ1500万点超をアールエスコンポーネンツのサイトからダウンロードでき、無料版によるプロトタイプ設計から、有料版による本格量産設計へのスムーズな移行を支援する。
無償版、有償版いずれもWindows8以降のWindows OSで動作し、MS Officeの操作性を踏襲。ExcelやPowerPointなどで使用していた各種ショートカットキーやマウス操作が、回路編集、基板編集、ライブラリ編集の画面でも使用できる。
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