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無人自動運転車の緊急時に遠隔操作するシステム、反力生成で実車と同等の操作感:オートモーティブワールド2020
KDDIは、「オートモーティブワールド2020」において、ドライバーを乗車させずにレベル4以上の自動運転車を運用する際に必須となる遠隔監視型自動運転用の操作卓を披露した。
KDDIは、「オートモーティブワールド2020」(2020年1月15〜17日、東京ビッグサイト)において、ドライバーを乗車させずにレベル4以上の自動運転車を運用する際に必須となる遠隔監視型自動運転用の操作卓を披露した。
同社は2019年2月、アイサンテクノロジー、損害保険ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学と共同で「5G等を活用した複数台の遠隔監視型自動運転」の実証実験を実施している。この実証実験では、2台の自動運転車(1台に5Gを搭載)の運転席を無人の状態にして自動運転を行う一方で、自動運転車が対応できない想定外の事態(故障時だけでなく緊急車両の通行なども)では、遠隔にいるドライバーが監視と緊急時の運転操作を行うという内容だった。
この遠隔にいるドライバーが自動運転車の運転操作を行うのに用いる操作卓は、ゲーム機用のステアリングコントローラーなどで構成したシステムが用いられることが多い。今回KDDIが披露した操作卓は、実車両のステアリングをそのまま使用するとともに、通信で取得した車速に応じて反力を生成するなど、実車両と同等の操作感が得られるようにしていることが特徴となる。「走行速度が速いほど、ステアリングの舵角が大きいほど、ステアリングの反力が大きくなるように設定している。ドライバーレスの自動運転車の実証実験に活用してもらえるように提案していきたい」(KDDIの説明員)としている。
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