百度の自動バレーパーキングプラットフォームに採用されたプログラマブルSoC:組み込み採用事例
Xilinxのオートモーティブ向け「XA Zynq UltraScale+ MPSoC」が、Baiduの自動バレーパーキング「ACU-Advanced」プラットフォームのセンサーフュージョンおよびAIプロセッシング用として採用された。
Xilinx(ザイリンクス)は2019年12月19日(現地時間)、同社のオートモーティブ向け「XA Zynq UltraScale+ MPSoC(XAZU5EV)」が、Baidu(百度)の自動バレーパーキング(Automated Valet Parking:AVP)「ACU(Apollo Computing Unit)-Advanced」プラットフォームに採用されたと発表した。
AVP向けACU-Advancedプラットフォームは、量産対応が可能なAVP専用コンピューティングソリューションだ。複雑な運転環境に対応できるよう、高度な深層学習推論処理が必要なバレーパーキングシステムならではの固有要件や機能を満たすように設計されている。
同プラットフォームは、カメラを5台、超音波レーダーを12台搭載し、動作温度範囲は−40〜+85℃と、車両レベルの量産要件を満たす。また、Baiduの「PaddlePaddle」フレームワークと互換性がある。
XA Zynq UltraScale+ MPSoCは、ArmコアをベースにしたプロセッシングシステムとプログラマブルロジックUltraScaleアーキテクチャを1つのデバイスに統合したSoC。AEC-Q100に準拠し、ISO26262 ASIL-C認証を取得している。ACU-AdvancedのセンサーフュージョンとAI(人工知能)プロセッシング用として採用された同SoCは、概念実証で使われるGPUの代替となる。
Xilinxは、AVPや自動運転の開発に関して技術的な課題を解決できるソリューションを提供し、Baiduとの連携を強めることで、自動運転を次の段階に進めるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- FPGAの特徴とは? 他デバイスと比較してみよう
MONOistの人気解説記事「いまさら聞けないFPGA入門」が公開された2006年9月から10年以上が経過し、FPGAを取り巻く状況も大きく変わっています。そこで、あらためてFPGAの基礎から最近の動向までを含めて解説する「新・いまさら聞けないFPGA入門」を公開します。前編は、FPGAの特徴について、ASICやASSP、GPU、CPUと比較して説明します。 - FPGAの力を引き出す3種の開発ツールとは
あらためてFPGAの基礎から最近の動向までを含めて解説する「新・いまさら聞けないFPGA入門」。後編は、FPGAの最大の特徴を引き出すのに用いる最新のツールと、FPGAの採用が広がっている新たな市場について紹介します。 - いまさら聞けない FPGA入門
あなたは、人に「FPGA」を正しく説明できるだろうか? いまや常識となりつつあるFPGAについて、あらためてその概念から仕組み、最新動向までを解説する。(編集部) - 運転支援システムの開発、ASICにする? FPGAにする?
FPGA大手のザイリンクスが記者向けに勉強会を実施し、先進運転支援システム(ADAS)でFPGAを使うメリットを解説した。車両や歩行者、白線などを認識する処理は、FPGAの得意分野だという。コストや性能の面からも、FPGAはADASで強みを発揮しそうだ。 - 百度のエッジAIアプリケーションが「Zynq UltraScale+ MPSoC」を採用
Xilinxは、Baidu(百度)製のエッジAIアプリケーション「EdgeBoard」に、「Zynq UltraScale+ MPSoC」が採用さ - 低遅延が求められる産業機器のエッジAI、ザイリンクスの処理性能は「GPUの8倍」
Xilinx(ザイリンクス)が産業機器や医療機器、監視カメラなどISM分野の事業戦略について説明。FPGAやプログラマブルSoCなどを用いた同社のソリューションは、ISM分野で求められる低遅延の条件において、GPUと比べて最大8倍のAI処理性能を実現できるという。