ニュース
動く障害物も回避、AIを搭載した障害物回避型アームのアルゴリズムを開発:人工知能ニュース
TRUST SMITHは、AIを使った障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功した。動く障害物を安全によけながら、目的物まで到達できる。製造業、農業、インフラ、サービス業など、さまざまな分野で省力化とコスト削減に貢献する。
TRUST SMITHは2019年11月30日、AI(人工知能)を使った障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功したと発表した。動く障害物を安全によけながら、目的物まで到達できる。手作業によるピックアップ作業を自動化することで、製造業、農業、インフラ、サービス業など幅広い分野で、省力化とコスト削減に貢献する。
TRUST SMITHは、東京大学発のAIベンチャー。今回開発したアルゴリズムは、アームから見た空間内に存在する障害物を回避し、目的物へアプローチする。物体までの距離、相対速度または相対加速度を考慮して計算するため、障害物が動いても安全に回避しながら目的物まで到達できる。微分幾何学の理論の1つ「リーマン計量」に基づいて開発した。
部品の分別や溶接、食品の調理工程、農作物の収穫時期判定と収穫、原油配管の超音波非破壊検査、商品の陳列、手荷物の搭載・取降など、幅広い用途での利用が想定される。これまで人の手に頼ってきた作業を支援し、ロボットによる自動化が期待できる。
また、このアルゴリズムを拡張すれば、従来のアーム型ロボットの機能向上が可能だ。他に、ドローンの自動運転技術にも適用できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 組み込みAIは必要不可欠な技術へ、推論に加えて学習も視野に
2017年初時点では芽吹きつつあった程度の組み込みAI。今や大きな幹にまで成長しつつあり、2019年からは、組み込み機器を開発する上で組み込みAIは当たり前の存在になっていきそうだ。 - AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。 - 機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね
前編では、AI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングといった用語の説明から、AIを実現する技術の1つである機械学習が製造業を中心とした産業界にも徐々に使われ始めている話をした。後編では、機械学習を使ったデータ分析と予測モデル作成について説明する。 - ラズパイゼロで推論も学習もできる組み込みAI「DBT」、“AIチップ”で開発容易に
AIベンチャーのエイシングが、組み込み機器などのプロセッサでAIの推論実行だけでなく学習も行える独自技術「DBT」について説明。このDBTによるアプリケーション開発を容易に行えるAIモジュール「AiiR(エアー)チップ」を開発したと発表した。 - エッジAIは専用プロセッサの流れに、LeapMindが独自IPの設計を明かす
LeapMindはディープラーニングの推論処理に特化した低消費電力プロセッサIP(Intellectual Property)の開発を明らかにした。 - ルネサスが新たなエッジAI技術を開発、世界最高クラスの電力効率と推論精度
ルネサス エレクトロニクスは2019年6月13日、低消費電力で高速にCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の推論を実行できるAI(人工知能)アクセラレータ技術を開発したと発表した。同技術を用いたテストチップは高い推論精度を維持しつつ、世界最高クラス(同社調べ)となる8.8TOPS/Wの電力効率を実現した。