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第4次産業革命で取るべき戦略、スキル人材の活用と技能のデジタル化ものづくり白書2019を読み解く(3)(2/5 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2019年版ものづくり白書」が2019年6月に公開された。本連載では3回にわたって「2019年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第3回となる今回は、第4次産業革命において製造業が取るべき戦略の内「スキル人材の活用」と「技能のデジタル化、省力化」について取り上げる。

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ビジネスモデル転換のための組織変革

 2019年版ものづくり白書では、日本を取り巻くビジネス環境の変化に対応していくためには、人材の獲得や育成に加えて組織の在り方も変革する必要があると指摘する。

 これを踏まえて過去3年以内の組織改革や人事改革への取り組み状況を見ると、企業規模が大きくなるほど、部門や部署横断的な組織作りや評価システムや人事考課の見直しを行った企業の割合が高かった。具体的には、企業内にデジタル専門部隊を組織し、予兆検知モデルの作成や技能継承のデジタル化などの取り組みを加速させている企業も存在している。また、企業規模にかかわらず、若手を登用した企業も一定割合(23〜35%程度)見られる(図6)。

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図6:企業規模別組織改革・人事改革取り組み(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 国内工場の生産プロセスについて収集したデータの利活用の状況と組織変革の取り組み状況の関係を見ると、収集したデータを実際に活用しようとしている、あるいは活用している企業ほど、組織改革や人事改革に積極的に取り組む傾向が見られる(図7)。

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図7:製造工程見える化の実施状況と組織改革(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 さらに、ITリテラシーの必要性を感じている企業の方が、組織改革に積極的に取り組んでいる(図8)。

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図8:ITリテラシーの必要性と組織改革(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 このようにデジタル化への対応に向けて積極的に取り組んでいる、あるいは取り組もうとしている企業ほど、組織改革にも積極的に取り組んでいる傾向が見られる。デジタルデータの利活用を推進していくには、従業員のITリテラシーを高めることはもちろん、業務の進め方や組織・人事の在り方を見直すことも必要となる。2019年版ものづくり白書では、このように、製造×AI・IoTのスキル人材を育てることだけでなく、彼らが活躍できる場や組織づくりを実現できるかどうかが、製造現場におけるAI・IoT活用の成否を分ける鍵だとしている。

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