連載
第4次産業革命で製造業の取るべき戦略、データサービスと重要部素材のシェア獲得:ものづくり白書2019を読み解く(2)(5/6 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2019年版ものづくり白書」が2019年6月に公開された。本連載では3回にわたって「2019年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第2回となる今回は、2019年版ものづくり白書が提示する4つの戦略の内、「世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供」「第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得」について詳しく掘り下げていきたい。
第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得
日本の市場規模と世界シェアを見ると、エレクトロニクス系の最終製品は売上額・シェアともに低下している一方で、自動車と部素材については売上額・シェアともに上昇している(図11、図12)
特に日本の製造業は高度な部素材に強みがある。過去10年間の厳しい国際競争の中で液晶パネル、半導体メモリなど完成品のシェアを大きく低下させた品目においても、それを構成する部素材については60%以上のシェアを維持するものが存在しており(図13、図14)、技術力、現場力に裏打ちされた品質力が世界市場に評価されているといえる。2019年版ものづくり白書では、こうした高機能部素材分野での強みを維持して生かしていくことが日本の製造業の活路となると指摘しており、この強みを生かす「部素材立国」を提唱している。
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