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第4次産業革命で製造業の取るべき戦略、データサービスと重要部素材のシェア獲得ものづくり白書2019を読み解く(2)(4/6 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2019年版ものづくり白書」が2019年6月に公開された。本連載では3回にわたって「2019年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第2回となる今回は、2019年版ものづくり白書が提示する4つの戦略の内、「世界シェアの強み、良質なデータを生かしたニーズ特化型サービスの提供」「第4次産業革命下の重要部素材における世界シェアの獲得」について詳しく掘り下げていきたい。

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モノづくりとデータの融合が勝負のカギ

 2019年版ものづくり白書では、第4次産業革命の中核となるIoTやロボット、AIなどの技術の社会実装の場面では、モノづくりの強さこそが鍵を握ると断言する。最近では産業機械やその部品メーカーを中心に、製品を介した製造業向けのサービスを提供する動きが見られており、今後は精緻なモノづくりとデータの融合を進め、強みとすることが重要だと強調する。

 また、特定分野での高いシェアを生かし、製品を通じて集まるビッグデータを共有知化すれば、当該分野でのデータ蓄積で他社を圧倒し得るとも述べている。特定品目での高い市場シェアや、精緻な生産管理、製造技術とそれに基づく良質なデータを生かすことができれば、他国に先んじて製造業に対する質の高いサービスを提供するプラットフォーム型ビジネスモデルを確立できる。こうした取り組みが、日本製造業の今後の重要な戦略になるとしている。

 さらに本連載の第1回でも触れたが、モルガンスタンレーの2018年調査によると、何らかの形でESG投資(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceといった要素を考慮する投資)を行う投資家は全体の約70%にも上り(図9左)「アセットオーナーはサステナビリティに取り組む責任がある」と考える投資家の割合は「強くそう思う」と「そう思う」を合わせると77%にも上る(図9右)。

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図9:(左)投資家へのアンケート「ESGを投資に組み込んでいるか」(右)投資家へのアンケート「アセットオーナーはサステナビリティに取り組む責任がある」と思うか(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

 このように、世界では社会的課題の解決に向けた投資機運が高まっている。その中で、国内製造業が世界の社会的課題に対して自社の強みを生かせると認識している分野(経済成長と雇用、エネルギー、インフラ・産業化など)も存在する(図10)。2019年版ものづくり白書では、今後はこうした社会的課題への本格的な取り組みを通じて、モノの先にある真の顧客価値を実現し、ビジネスチャンスを捉えることが重要になるとしている。

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図10:SDGsの目標領域で自社の技術・製品・サービスを生かせると思う分野(クリックで拡大)出典:2019年版ものづくり白書

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