シェア1位追求と顧客ニーズ追従の2面作戦を徹底、パナソニックの産業用部品事業:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
パナソニックは2019年11月22日、各事業の状況を紹介する「Panasonic IR Day 2019」を開催。本稿ではその中から、パナソニック インダストリアルソリューションズ社(IS社)の社長である坂本真治氏の説明内容を紹介する。
パナソニックは2019年11月22日、各事業の状況を紹介する「Panasonic IR Day 2019」を開催。本稿ではその中から、パナソニック インダストリアルソリューションズ社(IS社)の社長である坂本真治氏の説明内容を紹介する。
課題事業を再編、市況も第4四半期から回復へ
パナソニックIS社は2019年4月1日に誕生した。もともとあったオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(AIS社)が車載向けから産業向けまで幅広い領域の部品事業を担当していたのに対し、車載と産業それぞれの用途と向き合う顧客と領域を明確化し、最適な事業運営を行うため、オートモーティブ社とIS社に再編。IS社傘下には、メカトロニクス事業部、産業デバイス事業部、三洋電機エナジーソリューション事業部、デバイスソリューション事業部、エナジーデバイス事業部、電子材料事業部、パナソニック セミコンダクターソリューションズが移管されている。また、パナソニック液晶ディスプレイなども含まれている(※)。
(※)関連記事:パナソニックが7カンパニー体制へ、AIS社が車載と産業に分割
再編後の事業としては、汎用部品単品を展開するデバイス事業と、デバイスを核としてモジュール化、パッケージ化して展開するシステム事業の2つを基幹事業として位置付ける。
2019年度(2020年3月期)については「経営体質の強化と課題事業の方向付けを推進する」(坂本氏)。課題事業としては、液晶パネル事業と半導体事業が含まれるが、その内、液晶パネル事業については2019年11月21日に液晶パネル生産を終了することを発表(※)。半導体についても「さまざまなアプローチで方向付けを決める。2019年9月以降、赤字を大きく圧縮できているが、社外のパートナー含めてさまざまな可能性を考えていく」と坂本氏は述べている。
(※)関連記事:パナソニックが液晶パネル生産を終了、中小型に注力するも市場環境の激化で
また、米中貿易摩擦の影響などで、2019年度上期(2019年4〜9月)の業績は減収減益となり、通期業績目標の下方修正なども行っているが「市況は底を打ってきている。2019年9月頃が底でそこから回復の兆しが見えてきた。2019年度第4四半期からは回復すると見ている」と坂本氏は見通しを示している。
車載CASE、情報通信インフラ、工場省人化で利益率10%達成へ
IS社ではもともとパナソニックグループとしての強みを生かし、パナソニックが展開するAV製品やICT関連製品向けの部品を主力として扱ってきた。しかし、2012年度から車載および産業向けへの移行を推進。2012年度は車載および産業向けが38%だったのに対し、「2018年度までにほぼ転地は完了」(坂本氏)とし、2021年度は83%まで拡大する方針である。その中で2021年度には利益率10%の達成を目指す。
重点分野として「車載CASE(コネクテッド、自動運転、シェアード、電動化)」「情報通信インフラ」「工場省人化」の3つを設定。「これらを重点領域と位置付けることで、より高い成長性と収益力を確保する」(坂本氏)。これらに対し、強いデバイスと、それらを組み合わせたシステムの両面で価値提供を推進する。これらを徹底して推進することで「現状では電子部品では中位グループだと認識しているが、2021年度にはトップグループ入りできるようにする」と坂本氏は語っている。
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