ラズパイ120台を用いた全身3Dスキャンシステム、瞬間撮影でモデル生成までわずか10分:ET2019
「ET&IoT Technology 2019(ET2019)」に初出展したアールエスコンポーネンツのブースでは、Raspberry Pi&カメラモジュールを120台使用した3Dフォトスキャンシステム「3D GATEWAY」の体験デモが披露された。
アールエスコンポーネンツは「ET&IoT Technology 2019(ET2019)」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)に初出展し、「IoT・プロトタイピング・ラズパイ(Raspberry Pi)」をテーマに掲げ、単なる電子部品の陳列にとどまらないユニークなソリューション展示を行っていた。
その中で特に注目を集めていたのが、Raspberry Pi(Raspberry Pi 3 Model B)&カメラモジュールを120台使用したエクストラボールドの3Dフォトスキャンシステム「3D GATEWAY」(開発:デジネル、技術協力:デジタルアルティザン)による体験デモだ。
16本の柱フレームにRaspberry Pi&カメラモジュールが組み込まれており、中央に立つ被写体(人物)の全身を瞬時に撮影できる。120台のカメラモジュールで撮影した画像データは、独自開発のソフトウェアで処理され、約10分で3Dデータとして生成される。展示会場では、3Dスキャンした人物の全身モデルの活用例として、Webアプリケーションの「Mixamo」を用い、3Dモデルに動きを付けてダンスをさせるというデモを映像で紹介していた。
「写真を撮る感覚で全身3Dスキャンが可能で、3Dモデリングの知識がなくてもソフトウェア側で自動的に3Dデータを生成してくれる。3D GATEWAYという名称からも分かる通り、3Dの世界への入り口として位置づけており、3Dの魅力を知るきっかけとして多くの方に利用してもらいたい」(エクストラボールドの説明員)
ハードウェアとして安価なRaspberry Piを採用しているため、ハイエンドの3Dボディースキャンシステムなどと比較して、装置コストを半分程度に抑えることができる。用途にもよるが、Raspberry Piのカメラモジュールの画素数(800万画素)で必要十分であれば、安価に3Dフォトスキャンシステムを入手できるわけだ。
また、可搬性の高さも特長で、従来の大掛かりな3Dボディースキャンシステムとは異なり、分解、設置も容易で、ミニバン(トヨタ ハイエースやタウンエースなど)に積んで運搬することも可能だという。
3D GATEWAYの主な用途としては、3D関連の教育やデジタル人材育成、企業利用、イベントやエンターテインメント関連での活用などが考えられる。現在、試作9号機目となるが既に販売も行っており、教育機関や企業、商業施設などに導入されているとのことだ。
今後のバリエーション展開として「自動車のスケールモデルのような物体を対象とした3Dフォトスキャンシステムのニーズもある」とエクストラボールドの説明員は語る。
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