自動車用照明設計ソフトウェアの最新バージョンを提供開始:CAEニュース
サイバネットシステムは、自動車用照明設計ソフトウェアの最新バージョン「LucidShape 2019.09」の提供を開始した。リフレクターの光利用効率を最大限にする「自由曲面設計機能」などを追加した。
サイバネットシステムは2019年10月25日、自動車用照明設計ソフトウェアの最新バージョン「LucidShape(ルーシドシェイプ) 2019.09」の提供を開始した。リフレクターの光利用効率を最大限にする「自由曲面設計機能」を追加し、実用化が望まれる先端技術「路面描画ランプ」の設計もサポートする。
LucidShapeは、自動車用照明器具の設計、解析、評価に特化したソフトウェアで、Synopsysが開発。同社が販売、サポートしている。
昼間点灯用ランプ(デイライト)や高解像度ADB(Adaptive Driving Beam、可変配光型ヘッドランプ)などの設計にも使用され、光の広がりから形状を導くアルゴリズム「FunGeo(ファンジオ)」を搭載する。光の性能を基準として設計を進められるため、設計時間を短縮し、性能向上につながる。
最新版では、自由曲面設計機能を追加。従来のマルチリフレクター方式は、面と面の間に段差があり、段差に当たった光線が不具合や光利用効率低下の原因になるなどの課題があった。自由曲面設計機能は、段差のない滑らかな自由曲面でターゲット分布が可能で、審美性の高いリフレクターを設計できる。
また、同機能では、ユーザー指定の光度分布による自由曲面形状を自動計算して出力する。これまでのヘッドランプの光度分布に加え、記号や文字なども自在に照射でき、路面描画ランプの照明設計が容易になる。
高解像度ADBの開発を支援する機能として、「Pixel Light(ピクセルライト)シミュレータ」「3D LID MAPPER」を追加。多数の光源をモデル上に追加することなく、最小限度のシミュレーション回数でターゲット分布ができる。自動でどの光源をどの明るさで点灯すべきかを計算、出力するため、効率的な解析が可能になった。
人の目の効果を反映した画像処理を実施する、「Human Eye Vision機能」も強化した。明るさやコントラスト、カラーシフトを柔軟に制御可能になり、試作前に製品の見栄えをより正確に予測できる。
他に、Windows 10のサポート開始、Tolerance Explorerの追加、Multi-Lid Analyzerの追加などの機能強化を実施している。
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