ヤマハ発動機、シミュレーション機能などを強化した2軸ロボットコントローラー:産業用ロボット
ヤマハ発動機は2019年11月1日、2軸ロボットコントローラー「RCX320」を同年12月1日に発売すると発表した。従来モデルに対し13年ぶりのバージョンアップとなり、基本性能を大きく向上させた他、設定プログラムの簡易シミュレーション機能など、PCベース設定との親和性を高めた点などが特徴となる。
ヤマハ発動機は2019年11月1日、2軸ロボットコントローラー「RCX320」を同年12月1日に発売すると発表した。従来モデルに対し13年ぶりのバージョンアップとなり、基本性能を大きく向上させた他、設定プログラムの簡易シミュレーション機能など、PCベース設定との親和性を高めた点などが特徴となる。
好調な「RCX340」の2軸版
「RCX320」は、4軸コントローラーで人気モデルとなっている「RCX340」の2軸版である。「RCX340」は、高度な機能性と拡張性を持ち複数台ロボットの同期制御など高度な設備構築をより容易にできるようにした点が評価を受けたが、「RCX320」ではこれらの機能を継承。加えて、価格は「RCX340」の約半分となる22万円(税別、希望小売価格)を実現した。
ヤマハ発動機 ロボティクス事業部 FA統括部長の鈴木芳邦氏は「4軸コントローラーの『RCX340』の機能が高く評価を受けており、2軸分しか使わないのに『RCX340』を導入するユーザーもいたほどだ。2軸版を求める要望は非常に強かったことから製品化した」と製品投入の狙いについて語っている。
ヤマハ発動機の2軸ロボットコントローラーは13年ぶりのバージョンアップとなるが従来機「RCX221/222」に対しては、2倍となる最大16タスクを実現する他、メモリ容量は5倍以上となる2.1MB、ポイント数は3倍となる3万ポイントとするなど、基本性能を大きく向上させた。基本性能が大きく向上したことで、高度なサーボモーションエンジンが搭載できるようになり追従性が大きく向上しており、位置決め時間の短縮や軌跡精度の向上などの効果が得られるという。
また、「RCX320」、リンク機能「YC-Link/E」に加え、「Ethernet/IP」「EtherCAT」「PROFINET」などの主要産業オープンネットに対応し、予知保全情報のリアルタイム出力を新たに搭載した。RS-232Cとイーサネットポートを標準装備し、グリッパ、ビジョンシステムなどのオプション機能にも対応しているため、ニーズに合わせたシステム構築が可能となる。また、産業用イーサネットオプション(Ethernet/IP、EtherCAT、PROFINET)を選択した場合、エラーステータス、現在位置、電流値、モータ負荷率、稼働時間など、予知保全に必要な情報をリアルタイムに出力することも可能だ。
サポートソフトは「RCX340」と共通の「RCX-StudioPro」に対応する。エミュレータ機能を搭載し、コントローラーのハードウェア無しでもプログラム作成やデバッグが可能となる。そのため立ち上げ期間の短縮や、改善サイクルの向上などに貢献する。
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