ニュース
気軽に糖代謝状態を推定できるデバイスが、CEATEC AWARD 2019を受賞:医療機器ニュース
京セラが新しく開発したヘルスケアデバイス「糖質ダイエットモニタ」が、「CEATEC AWARD 2019」スマートX部門の準グランプリを受賞した。気軽に糖代謝状態が推定できる同デバイスの利用が広がることで、生活習慣病の予防や医療費削減につながる。
京セラは2019年10月15日、同社が新たに開発した「糖質ダイエットモニタ」が、「CEATEC AWARD 2019」のスマートX部門において、準グランプリを受賞したと発表した。
糖質ダイエットモニタは、ジャイロセンサーを用いて食事による脈波形状の変化を計測し、糖質代謝状態を測定するヘルスケアデバイスだ。採血不要で気軽かつ安全に糖代謝状態を推定できるため、同デバイスの利用が広がることで、生活習慣病の予防や医療費削減が期待される。
同デバイスの小型脈波センサーには、低価格で入手できるジャイロセンサーが使用されている。これにより、デバイスの消費電力をボタン電池で動かせるほど低く抑えることができた。
CEATEC AWARD 2019は、IT技術とエレクトロニクスに関するアジア最大級の国際展示会「CEATEC 2019」に出展された中で、学術的、技術的な観点や、市場性、将来性などをふまえて革新性に優れた技術、製品を表彰するものだ。
今回の受賞は、脈波センサーという発想をジャイロセンサー技術を活用して形にした点、そして脈波形状の変化と糖代謝の相関を発見し、そこから新たな市場開拓をした点が評価された。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 砂糖の取り過ぎで中性脂肪をためやすくなるメカニズムを解明
名古屋大学は、砂糖の取り過ぎが脂肪肝や高中性脂肪血症などの脂質代謝異常を引き起こすメカニズムを解明した。肝臓の脂質代謝の概日リズムが乱れることで、中性脂肪をためやすくなることが分かった。 - エレクトロニクスフリーの人工膵臓、血糖値に合わせて自律的にインスリン放出
名古屋大学が、機械や電気による駆動を必要としない、自立型の「人工膵臓」を開発した。この人工膵臓は、健常および糖尿病マウスにおいて3週間以上持続して、糖代謝を良好に制御した。従来の機械型膵臓に比べ、安価で使用負担も軽減する。 - 血糖値の変化に応じて血中から脳内に薬剤を届けるナノマシンを開発
ナノ医療イノベーションセンターは、脳への薬剤送達を妨げる「血液脳関門(Blood-brain barrier:BBB)を血糖値の変化に応じて効率的に通過し、脳内へ集積する「BBB通過型ナノマシン」を開発した。 - がん組織周辺で抗がん剤を合成・放出する糖鎖高分子ベシクルを開発
京都大学は、物質透過性を持つ糖鎖高分子ベシクルを開発した。がん組織周囲で抗がん剤を合成し、放出する医療ナノデバイス(ナノファクトリー)として機能する、初めての材料となる。 - 糖尿病治療薬の致死率50%の副作用に有効な治療薬、九州大などが発見
九州大学は、糖尿病治療薬「メトホルミン」の致死的な副作用である乳酸アシドーシスに対する治療薬として、PHD阻害剤が有効であることを明らかにした。 - 分解速度が遅い人工インスリンの合成に成功、糖尿病治療薬への応用見込む
東海大学は、新規人工インスリン「セレノインスリン」の化学合成に成功した。インスリン分解酵素による分解速度が天然インスリンより遅く、糖尿病の治療薬としての応用が期待される。