出身者と現役が語る「学生フォーミュラで培われる“現場力”」:学生フォーミュラ2019(3/4 ページ)
学生がクルマ作りの総合力を競う「学生フォーミュラ」。クルマ作りの過程での厳しい経験を踏まえた人材は、社会人でも活躍するという声が多い。学生フォーミュラではどんな“現場力”が身に付くのだろうか?
プレゼンは重要な能力――崇城大学
このようなVSNの支援を有効活用しているのが、熊本県にある崇城大学だ。学生フォーミュラチームへの支援(スポンサード)は以前から受けてきたという同校だが、今年は大学自体で教育改革に取り組んでいることから学生フォーミュラの学生だけでなく、モノづくり系の学生全般にロジカルシンキングセミナーを受講させたという。さらに学生フォーミュラのチームメンバーには、プレゼンのノウハウが身につくセミナーも行った。
崇城大学でFAを務める工学部機械工学科技師の生田幸徳氏は「プレゼンのセミナーでは私たち教師が気付かないところを分かりやすく説明してもらえた。学生フォーミュラでは、スポンサー獲得から静的審査まで、プレゼン能力が明暗を分けるシーンが少なくない。過去にはスポンサーが少なく苦しんだ時期もあった。最近は徐々に増えてはきているものの、出場校では一番南となる熊本の大学だけに、まだまだ認知度は低い。今後もプレゼンは重要な能力の1つとなるだろう」と語る。
今回の学生フォーミュラで、静的審査の前にプレゼンの資料内容をチェックしてもらい、プレゼン方法もしっかり教えてもらったというのが崇城大学フォーミュラチームのプロジェクトリーダー、高橋伸乃丞氏(崇城大学 工学部 機械工学科3回生)だ。
「プレゼンの事前チェックでは、具体的なコスト数値や図表の効果的な使い方などを指摘してもらい、プレゼンに現実性を加えることができた。プレゼンのノウハウは今後就職活動や社会人になってからも生かせると思うので、もっと勉強していきたい。また、ロジカルシンキングのセミナーにも積極的に参加したが、理由はチームマネジメントに苦労していたから。寝坊で来ないメンバーなどいてチームがまとまらない中で、セミナーで学んだ演繹法を用いて自分の中で解決策を作り、なんとかチームをまとめることができた」(高橋氏)
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