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熟練者のノウハウを見える化、富士ゼロックスが独自の品質手法を確立製造マネジメントニュース

富士ゼロックスは、品質課題の要因を特定する独自の品質課題解決手法を確立した。商品や製造工程の開発での熟練技術者の経験や、ノウハウを見える化している。

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 富士ゼロックスは2019年9月25日、品質課題の要因を特定する独自の品質課題解決手法「メカニズムベース開発手法」を確立したと発表した。商品や製造工程の開発での熟練技術者の経験や、ノウハウを見える化している。

 本手法は、「品質」「機能」「物理量」「設計項目」の影響度合いとして、これまで伝承することが難しかった技術者の経験やノウハウを見える化し、品質課題の要因を特定する。商品開発初期段階では、開発を最小限の試作や実験で進められるため、開発期間を短縮でき、前工程への手戻りも軽減する。設計変更が発生した際は、気をつけるべき二次障害を予測するなどトラブルを未然に防止する。

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電球が点かないというシンプルな品質課題を想定した例の4軸表 出典:富士ゼロックス

 同社の開発、生産拠点に本手法を導入し、「金型製作期間の短縮」と「品質課題の発生低減」という改善効果を得ている。金型製作では、これまで熟練技術者が1年以上の期間を要して現物を使ったトライアンドエラーで作りこんでいたが、本手法により経験の浅い技術者が試作品を作らずに起工できるようになった。不具合による手戻りも無くし、量産設計後の金型製作期間を3分の1に短縮した。

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金型製作期間を3分の1に短縮(クリックで拡大) 出典:富士ゼロックス

 また、生産プロセスでは、品質課題が発生するたびに生産設備を調整していたが、本手法により過去の対策で得られた知識を整理。品質を安定させる良品条件を特定して改善したところ、品質課題の発生頻度が10分の1以下に低減した。

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品質課題の発生を10分の1に低減(クリックで拡大) 出典:富士ゼロックス

 今後、顧客のニーズ探索や技術評価をしながら、IoT(モノのインターネット)により製造工程の品質や変化をモニタリングし、データ化する同社独自のしくみと組み合わせ、製造現場のスマート化を目指した利用検討を進めていく。

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