NNEF向けエコシステムの機能を拡張、TensorFlow LiteやONNXに対応:人工知能ニュース
クロノス・グループは、業界標準の「NNEF」向けエコシステムの機能を拡張した。新しいコンバーターやエクステンション、一般公開されているNNEF Model Zooにより、経験を積んだニューラルネットワークを推論エンジンに提供できる。
クロノス・グループは2019年8月20日、ニューラルネットワーク変換フォーマットの業界標準である「NNEF(Neural Network Exchange Format)」向けエコシステムの機能拡張を発表した。新しいコンバーターやエクステンション、一般公開されているNNEF Model Zooにより、経験を積んだニューラルネットワークを推論エンジンに提供できる。
NNEFは、互換性のない独自仕様の乱立を避けるために開発された。トレーニングフレームワークと推論エンジン間のニューラルネットワークを交換しやすくし、推論とトレーニングソリューションを自由に組み合わせられるようにしている
新しく改善されたNNEFオープンソースコンバーターには、「TensorFlow Lite」「ONNX」が含まれ、NNEFを使って幅広いトレーニングフレームワークやトレーニング済みのフレームワークを実行する。NNEF Model ZooはGitHub経由でアクセス可能で、推論エンジンはNNEFモデルの信頼できるインポートをテストできる。
オープンソースコンバーターツールのGitHubライブラリを統合し、共通のインタフェースとコードベースによってメンテナンスが容易となった。さらに、NNEFとTensorFlow、Caffe/Caffe2、ONNX間の双方向変換も可能になっている。
他に、TensorFlow Liteへのエクスポーターや、オープンソースの構文パーサー/バリデータも用意する。
NNEFの操作リストも更新され、サイン/コサインや縮小、パッド/タイル操作が追加された。
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