Nexa3DがBRULEと提携、LSPc技術搭載の超高速3Dプリンタを国内販売:3Dプリンタニュース
Nexa3Dは、3DプリンタソリューションプロバイダーのBRULEと提携し、日本市場へ参入。LSPc技術搭載の光造形方式3Dプリンタ「NXE400」の国内販売を開始する。
産業用SLA(光造形)方式3Dプリンタを手掛けるNexa3Dは2019年8月22日、3DプリンタソリューションプロバイダーのBRULEと提携し、日本市場へ参入することを発表した。これに併せ、高速かつ高精細な造形を特長とする光造形方式3Dプリンタ「NXE400」の国内販売を開始する。
速度の違いを例えるなら、ダイヤルアップとブロードバンド
NXE400は、Nexa3D独自の潤滑剤サブレイヤー光硬化(LSPc:Lubricant Sublayer Photo-curing)技術と、特許取得済みの構造化光マトリックスを搭載する。これにより、Z軸で毎分1cmの速度造形を可能とし、体積にして最大16リットルもの物体を造形できる。このLSPc技術が実現する高速造形について、Nexa3Dは「既存の3Dプリンタをダイヤルアップ式のインターネットとした場合、NXE400はブロードバンドといえる」と表現する。
ちなみに、台湾のXYZprintingが発表した新コンセプトの産業用3Dプリンタ「MfgPro700xPF」「MfgPro1600xPF」にもLSPc技術が採用されており、両機種の開発にNexa3Dが協力している(関連記事:産業用プリンタは造形サイズを拡大してより速く、個人向けフルカラーはより安くて使いやすく)。
NXE400の本体サイズは711×711×1676mm。最大造形サイズは270×160×380mmで、積層ピッチは0.025mm、0.05mm、0.1mm、0.2mmとなる(最大造形サイズと積層ピッチの数値は、先述のMfgPro1600xPFと同じである)。本体前面にタッチパネルディスプレイを搭載し、USBおよびイーサネット接続に対応。また、LSPc技術専用レジンとして、「Nexa3D Fast RP」「Tough」「Super Tough」を提供する。
NXE400は自動化された工場設備での利用にも対応する他、オプションの洗浄ユニットと硬化ユニットを組み合わせることにより、数時間かかっていた精密機能部品の試作や最終製品の造形時間が大幅に短縮できるという。
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