モビリティ革命の推進力、日本の交通に変化をもたらす4つの先進的取り組み:交通政策白書を読み解く(後編)(5/6 ページ)
国土交通省は2019年6月に「平成30年度交通の動向」及び「令和元年度交通施策」(以下、交通政策白書2019)を公開した。今回は「モビリティ革命〜移動が変わる、変革元年〜」をテーマに、交通の動向や交通に関する施策を紹介している。
環境負荷低減の取り組み
交通政策白書2019では、政府は、省エネルギー、温室効果ガス(CO2)排出削減などの政府方針実現のため、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などの次世代自動車、低速電動モビリティ(グリーンスローモビリティ)などの新モビリティの普及を促進している。
EVとFCVについては、温室効果ガス排出削減などに対するメリットが多数ある一方、ガソリン自動車に比べると高額であることや、充電や燃料補給のためのインフラ整備が必要となることを課題として指摘している。そのため、政府や地方公共団体が導入補助などを行っている(図8)。
時速20km未満で公道を走る4人乗り以上の電動パブリックモビリティ「低速電動モビリティ(グリーンスローモビリティ)」については、高齢者をはじめとする地域住民や観光客の移動手段、さらには「地域の顔」としての役割まで、幅広い場面での活用を期待している(図9)。
さらに、自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人〜2人乗り程度の電動車両「超小型モビリティ」については、従来の自動車ニーズの隙間を埋めるものと位置付けており、超高齢化社会への対応や地球温暖化対策、地方創生、観光振興などにおける役割を期待している(図10)。超小型モビリティについては、公道走行を可能とする認定制度が創設されるとともに、地方自治体、観光や流通関係事業者などの主導による超小型モビリティの先導、試行導入の優れた取り組みを重点的に支援する補助が実施されている。
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