省スペースでチタンなど難削材にも対応、高速、高精度の立形マシニングセンタ:FAニュース
DMG森精機は、省スペースで自動化できる立形マシニングセンタ「DMP 70」を発売した。優れた動的性能と高速、高精度加工により、自動車部品の量産加工から医療部品、難削材の加工に柔軟に対応する。
DMG森精機は2019年7月9日、省スペースで自動化できる立形マシニングセンタ「DMP 70」を発売した。優れた動的性能と高速、高精度加工により、自動車部品の量産加工から医療部品、航空宇宙部品のチタンなどの難削材の加工に柔軟に対応する。
DMP 70は、高速加工ができるBT 30のインライン主軸を搭載。全軸60m/minの早送り速度や、最大1.8Gの加速度(Z軸)の優れた動的性能を持つ。工具交換時間は1.5秒で、機械ベッドの構造を最適化しており、機械剛性を高めた力強いミーリング加工ができる。
主軸やX、Y、Z軸の直動ガイド、5軸仕様の回転傾斜テーブルなどの駆動部を冷却する機構によって、熱変位を抑制する。また、全軸に標準でマグネスケール製の磁気式リニアスケールを搭載。フルクローズドループ制御により、位置決め精度5μmを達成している。
オプションの回転傾斜テーブルを使用することで、同時5軸加工ができる。テーブルの最大積載質量は100kg。テーブル作業面の大きさは直径290mm、A軸旋回範囲は−100〜+120度だ。
自動化システムとして、ロボットによるワーク自動搬送システム「WH3 Cell」を用意。設置床面積は約10.7m2で、機械本体の左右、正面に接続できる。最大ワークサイズは300×200mm、最大搬送ワーク質量はシングルハンドで5.5kgとなる。
急勾配の機内カバーなど切りくずの排出性を高めた機械構造を採用しており、自動化システムの稼働中に機械停止の原因となる切りくずによるトラブルを防止する。
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