この記事は、2019年7月19日発行の「FA メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
産業用5Gは無視してよい存在か
次世代キャリア通信である5G(第5世代移動通信システム)への注目度が高まっています。最大10Gbpsの高速通信、1ms以下の低遅延、1平方km当たり100万台の多数同時接続など、従来の4Gにない特徴を備えており、日本では2019年9月からプレサービスが開始されます。そして、2020年春から商用サービスが開始される予定となっているのです。
現状では、通信キャリアによる、新サービスなどに大きな注目が集まっていますが、実は5Gの恩恵を受けるのは、一般ユーザーよりもB2Bの領域だと見られているのです。特に相性が良いと見られているのがIoT(モノのインターネット)との組み合わせです。5Gが備える、低遅延性と多数同時接続などの機能が生かせるためです。その意味で、通信キャリア以外の事業者が、独自の基地局を設置して5Gを活用する「ローカル5G」への関心が高まっているのです。
ただ、日本では通信キャリアでのB2C向けの高速高容量通信が大きな注目を集めていたことから産業用途での5G利用については最近になるまであまり関心が高まっているとは感じられませんでした。ただ、ここ最近になって急に「ローカル5G」によるさまざまな取り組みが盛り上がりを見せてきています。
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