中途入社者の離職意向を低減するのは、上司との「雑談」:キャリアニュース
リクルートキャリアが「中途入社後活躍調査」の結果を発表した。短時間でも上司と雑談している人は離職傾向が低く、自分の能力を十分に発揮している「パフォーマンス発揮者」は、仕事や組織の意義について高頻度で上司と会話していた。
リクルートキャリアは2019年6月27日、「中途入社後活躍調査」の結果を発表した。
同調査の対象は、過去5年以内に従業員数300人以上の企業に正社員として中途入社した人で、そのうち5378人から有効回答が得られた。
離職意向に影響を及ぼす要素を調べたところ、離職について「まったくそう思わない」「どちらかといえばそう思わない」と回答した人には、「短時間でも上司と雑談している」傾向が見られた。
次に、パフォーマンスに関わる要素を分析した。その結果、自分の能力を十分に発揮している「パフォーマンス発揮者」は、「短時間でも上司と会社や組織の方針の意義、自分の役割、目標の意義」について会話している人、また、「少なくとも1カ月に1回程度以上」「1カ月あたり61分以上」上司と会話している人が多かった。
パフォーマンス発揮者は、高頻度で上司と会話
会話の頻度については、「パフォーマンス発揮者」は「会話の頻度」が高いことが分かった。「パフォーマンス発揮者」の約3分の2にあたる65.1%が「1日に1回以上の頻度で上司と会話」をしていた。頻度の内訳は「1日に2回以上」が39.4%、「1日に1回程度」が25.7%だった。パフォーマンスが不十分である人の34.6%は、「1週間に1回程度、またはそれ未満」しか上司と会話していなかった。
続いて、「上司とのコミュニケーション」について、量や内容、頻度、手段を比較した。その結果、先述の調査で離職意向やパフォーマンスに影響を及ぼすとされた「短時間でも、雑談、会社や組織の方針の意義、自分の役割、目標の意義に関する会話をしている」「1日に1回以上会話している」「1カ月あたり61分以上会話している」の全てを満たす人、つまり理想的なコミュニケーションを取っている人は、離職意向が低く、パフォーマンスを発揮している傾向が高かった。
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