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東洋紡が財務経理をアウトソーシング、高付加価値業務に注力:製造IT導入事例
日本IBMは東洋紡とBPO契約を締結し、財務経理業務を受託した。東洋紡はBPOによって生じた財務経理部門の人的リソースを、より高付加価値な業務に回していく考えだ。
日本IBMは2019年6月3日、東洋紡とBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)契約を締結し、中国・大連のBPOセンターにおいて受託した財務経理業務を同年4月から開始したと発表した。
日本IBMは世界各地で得たBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)のノウハウを生かし、財務経理の業務改革に関するコンサルティングから、要件定義、システム構築までを一貫して実施した。これまでにさまざまな企業を支援してきた経験を踏まえ、BPOによる業務委託を遂行するとしている。
東洋紡の財務経理部門は、BPOによって生まれた人的リソースをグローバルグループの統制統括活動に活用。戦略的会計部門として、経営データの分析、提供といった高付加価値な業務に力を入れていく考えだ。
東洋紡では事業基盤を強化する取り組みとして、仕事の仕方、会社の制度や意識を変革する「カエルプロジェクト」を進行中だ。この一環として、自社内で対応していた財務経理部門の業務も根本から見直し、BPO採用を決定。BPO業務を設計する際にBPRも推進し、BPO移行業務を中心にプロセスの標準化を進め、業務の平準化と効率化を図った。
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