「Jetson Nano」を“まとも”に使えるようにする:Jetson Nanoで組み込みAIを試す(2)(2/2 ページ)
NVIDIAが価格99ドルをうたって発表した組み込みAIボード「Jetson Nano」。本連載では、技術ライターの大原雄介氏が、Jetson Nanoの立ち上げから、一般的な組み込みAIとしての活用までを含めていろいろと試していく。第2回は、機械学習を試す前に“まとも”に使えるようにする。
「UnixBench」で軽くベンチマーク
さて、せっかく体制も整ったので、軽くベンチマークを行ってみることにした。使うのはGitHubで公開されている「UnixBench」である。まずはインストールであるが、以下のコマンドを実行した(実行後にログを見て頂くと分かるが、少なくとも原稿執筆時点ではインストールされているものが最新版だった)。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install build-essential $ sudo apt-get install git
その後さらに以下のコマンドを実行。
$ mkdir unixbench $ cd unixbench $ git clone https://github.com/kdlucas/byte-unixbench.git .
これにより、UnixBenchのソースを“Unixbench”というサブディレクトリに展開してくれる。これが完了したら、以下のコマンドを実行する。
$ cd Unixbench $ ./Run
ベンチマークのビルドと実行が行われ、結果が表示される。ちなみにテスト内容は以下の通りだった。
- Dhrystone 2
- Double-Precision Whetstone
- Execl Throughput
- File Copy 3種類
- Pipe Throughput
- Pipe-based Context Switching
- Process Creation
- System Call Overhead
- Shell Scripts(1スクリプトと8スクリプト同時実行)
しかも1 copy(CPU1つだけで実行)の他に、全プロセッサ利用(Jetson Nanoの場合はCortex-A57×4なので、4 copy)のパターンもあるので、おおむね1時間ほどの時間を要する作業である。
結果は表1に示す通りである。結果はIndex(レファレンスとなるシステムの性能との比)で示されるが、まぁ絶対的な性能はこの際置いておくとして、1 Copyの場合はUSB電源でもACアダプターでもほとんど性能差が見られない。
ところが、4 Copyの場合は(テストによって差があるが)ACアダプターを利用した方が1割以上性能が伸びているケースが見られる。要するにCUDAコアを使わない場合でも、CPUコアをフルにブン回すと10Wを超える消費電力になる場合があり、なのでUSB電源の場合には動作周波数を抑えるなどして消費電力を下げて動作しているものと思われる。やはりACアダプターの利用は必須、と考えていいだろう。
さて、次回はそのCUDAコアを使ってみたいと思う。
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