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中高生向けの自動運転車の開発、99ドルのボードで「AIの可能性を知って」自動運転技術(1/2 ページ)

NVIDIAがユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)で発売を発表した組み込みAI(人工知能)の開発者キット「Jetson NANO」。使い道にひときわ関心を寄せたのは、子どもを持つGTC参加者たちだ。

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99ドルの組み込みAI開発キット「Jetson NANO」を発表した(クリックして拡大)

 NVIDIAがユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)で発売を発表した組み込みAI(人工知能)の開発者キット「Jetson NANO」。価格が99ドル(約1万1000円)と手が届きやすいこともあり、GTC 2019の期間中に同社オンラインショップで売り切れとなり、予約注文のみの対応となった。2019年4月1日時点でも出荷まで2週間以上かかるようである。

 Jetson NANOは、「Raspberry Piでは足りなかったコンピューティング性能」(NVIDIA CEOのジェンスン・ファン氏)を持つ。128個のCUDAコアを持つNVIDIA MaxwellアーキテクチャベースのGPU、Armv8-AアーキテクチャのCortex-A57を採用したクアッドコアCPU、4GBのメモリを搭載。消費電力は5W、演算性能が472GFLOPSとなっている。また、Jetson NANOを含むJetsonファミリーは「CUDA-X」と呼ばれるGPU開発用AIソフトウェアスタックに対応しており、ディープラーニングやコンピュータビジョンなどを容易に組み込むことが可能だ。

 約9000人が参加したというGTC 2019で、Jetson NANOの使い道にひときわ関心を寄せたのは、子どもを持つ参加者たちだ。Jetson NANOを使って小さな自動運転車をつくることが可能で、「これは子どもの教育によいのではないか」と親たちの興味を引いたのだという。カメラとモーターを使ったシンプルな動くモノを……という狙いで小さな自動運転車が用意されている。

JetBotは手のひらより少し大きいサイズの自動運転車。単眼カメラのみで環境を認識している(クリックして拡大)

 その自動運転車は「JetBot」というレファレンスプラットフォームを使って作ることができる。JetBotは、単眼カメラ1つだけを使って環境を認識しながら走る。他の種類のセンサーや、複数のカメラは使用しない。ただ、JetBotを作るには、Jetson NANOとは別にカメラやモーター、小型ディスプレイ、自動運転車を動かす電源となる携帯電話機向けモバイルバッテリーなどの部品が必要だ。追加の部品は150ドル(約1万6000円)でそろえることができ、作り方やJetBotに対応する部品の一覧はGitHub上で情報が公開されている。

 Jetson NANOやカメラなどの周辺部品を乗せるシャシーと車体は、誰でも3Dプリンタで出力できるよう設計データを公開した。3Dプリンタの機種に制約を受けないよう、一般的に出力できる140mm四方の範囲内に各部品の寸法を収めたという。3Dプリンタを所有していなくても、出力代行サービスを利用してシャシーや車体を入手することができる。

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