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中高生向けの自動運転車の開発、99ドルのボードで「AIの可能性を知って」自動運転技術(2/2 ページ)

NVIDIAがユーザーイベント「GTC 2019」(2019年3月19〜21日、米国カリフォルニア州サンノゼ)で発売を発表した組み込みAI(人工知能)の開発者キット「Jetson NANO」。使い道にひときわ関心を寄せたのは、子どもを持つGTC参加者たちだ。

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ぶつからずに走る自動運転車、子どもにも作れる?

 追加の部品を購入し、3Dプリンタを使って入手した車体を組み立てるところまでは確かに子どもでもできるだろう。JetBotが走る様子をGTC 2019の会場で見てみると、壁にぶつかる前に方向転換して区切られたエリアを走行する他、白線に沿って走り続けたり、進行方向の障害物を検知して止まったりした。また、デモンストレーションの映像では、カラフルでランダムな柄、色のマットの上を、マットからはみ出さずに走行する様子も紹介された。子どもでも、そのように自動運転車を走らせることができるのか。

JetBotが走る(クリックで再生)

 Jetson NANOの担当者は、興味関心の度合いにもよるが、中学3年生〜高校1年生から対象年齢になると説明した。また、ハードルの低さについては、「モーターの駆動やセンサー処理にロボティクスのフレームワークであるROSやIsaacは使っていない。シンプルなPythonのプログラムで動かせるのが特徴だ。Webブラウザ上でプログラミングできるようにし、ハードルを下げた。デモ走行したJetBotは、進んでOKな場所とNGな場所の画像を400枚ずつ学習させただけで周囲の壁や床の色が変わってもぶつかったり落ちたりせずに走っている。どんなデータを教えるとうまくいくか、失敗するか、実際にやってみることで、AIで問題をシンプルに解決する方法を経験してほしい」と述べた。

 教師あり学習で動作する同プログラムは画面上で画像に対してマル、バツを選ぶだけなので、子どもでも教師データの作成ができるという。また、クラウド経由で学習させることができるので、特殊なPCは不要だとしている。Jetson NANOとJetBotについて、自社のサービスのメリットを知ってもらう機会になるとして、マシンラーニングのクラウドサービスを提供するITベンダーも関心を寄せているという。

 車線をトレースしながら直線だけでなくカーブも走るJetBotのデモは、「かじを取るべき中心線の座標をたくさん与えて車線をトレースできるようにした。オドメトリを使わず、画像だけをみて直進できているか、車線から外れていないかを判断している。右に行きすぎた時は左にかじを、左に行きすぎた時には右にかじを取るための認知を、カメラだけでできるというのは、大きな可能性を秘めているのではないか」(Jetson NANOの担当者)。JetBotは、このようにディープラーニング(深層学習)などAIを使うことによる新しい可能性に気付いてもらうための“例題”として用意された。

車線をトレースし(左)、障害物を検知して止まる(右)。これをシンプルな学習のみで実現している点が特徴だという(クリックして拡大)

(取材協力:NVIDIA)

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