次世代ラボの開発に向け、社会実装を目的としたコンソーシアムを設立:医療機器ニュース
iPSポータルほか7社は、次世代ラボの開発に向け「COTO LABO コンソーシアム」を設立した。透明性、再現性、効率性を持つ次世代ラボを社会実装することで、ライフサイエンスにおけるデータの信頼性が高まり、ヘルスケア産業全体の発展につながる。
iPSポータルは2019年5月30日、次世代ラボの開発に向けて、同社と賛同企業7社による「COTO LABO コンソーシアム(Communication Tool Oriented/Originated LABOratory)」を設立したと発表した。
同コンソーシアムは、ライフサイエンス分野における、データ信頼性担保の重要性に賛同する8社が、業界の枠を超えて結集した共同開発体だ。賛同企業は、iPSポータルの他、アース環境サービス、NTTデータ、オリンパス、片岡製作所、島津製作所、大成建設、日立産機システム。それぞれが持つ高い技術を、1つのラボシステムとして統合することにより、これまでにない高度な「透明性」「再現性」「効率性」を備えた次世代ラボの社会実装を目指す。
開発する次世代ラボは、主に基礎、探索研究レベルの実験のデータ統合と管理を目的とする。具体的には、実験操作の正確性やトレーサビリティを評価できる新規システムの開発、同システムと新たな環境基準を組み込んだモデルラボの構築に取り組む。なお、同ラボの開発は、iPSポータルの顧問である大阪大学大学院工学研究科 教授の紀ノ岡正博氏の助言を受けつつ進めていく。
今後、モデルラボの設置と想定顧客によるモデルラボの価値検証を実施し、次世代ラボの社会実装に向け準備を進める。
透明性、再現性、効率性を持つ次世代ラボが社会実装されれば、ライフサイエンスの基礎、応用分野でデータ信頼性が高まり、ヘルスケア産業全体の発展につながることが期待される。
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