スズキ「アルト」がパキスタンで販売開始、生産は日本の軽規格そのまま:エコカー技術
スズキとパキスタンの同社生産子会社パックスズキモーターは2019年6月15日、「アルト」の販売を開始したと発表した。スズキの海外拠点で日本の軽自動車規格と同じボディーと排気量のエンジンを採用したモデルを生産するのは、アルトが初となる。経済性や信頼性、性能を日本で培った軽自動車をグローバルに展開することで、スズキが得意とするコンパクトカーの普及を図る。
スズキとパキスタンの同社生産子会社パックスズキモーターは2019年6月17日、「アルト」の販売を同月15日から開始したと発表した。
スズキの海外拠点で日本の軽自動車規格と同じボディーと排気量のエンジンを採用したモデルを生産するのは、アルトが初となる。経済性や信頼性、性能を日本で培った軽自動車をグローバルに展開することで、スズキが得意とするコンパクトカーの普及を図る。
パキスタンで販売するアルトは、日本で販売している軽自動車のアルトと同じ全長、全幅のボディーで、排気量660ccのR06A型エンジンを搭載する。最低地上高は、パキスタンの道路事情を考慮して日本仕様よりも高くした。価格は99万9000〜129万5000ルピー(約77万9000〜101万円)。
パックスズキモーターは1982年に「フロンテ」の生産を開始し、2018年8月には四輪車の累計生産台数が200万台を超えた。日本向けの軽自動車「キャリィ」「ジムニー」「アルト」「ワゴンR」などをベースに排気量800〜1000ccのエンジンを搭載したモデルを中心に生産してきた。
パキスタンの乗用車市場はスズキが過半数のシェアを握る。次いでトヨタ自動車が25%前後、ホンダが20%前後となる。2018年のパキスタン全体の乗用車販売台数は前年比6.9%増の21万7392台で、このうちスズキは同6.6%増の11万8382台だった。
日本向けのアルトは2014年12月に発表。JC08モード燃費で37.0km/l(リットル)を達成するとともに、従来モデル比で60kgの軽量化を実現した。最軽量のグレードで車両重量は610kgだった。
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