ニュース
軽量で柔軟、5Gのミリ波帯域向け超低伝送損失アンテナ設計技術を開発:組み込み開発ニュース
AGCは、ミリ波向け超低伝送損失フレキシブルアンテナ設計技術を開発した。伝送損失が低く、軽量で曲げられるため、車載機器や産業機器などさまざまな製品にミリ波向けアンテナを搭載できる。
AGCは2019年5月20日、5Gに用いられるミリ波向けの超低伝送損失フレキシブルアンテナ設計技術を開発したと発表した。アンテナ材料として、2枚の銅箔の間に同社のフッ素樹脂「Fluon+(フルオンプラス)EA-2000」を挟んだ「フレキシブルCCL(Copper Clad Laminate:銅張積層板)」を用いている。
Fluon+EA-2000は、耐熱性、耐水性、電気特性など、フッ素樹脂の優れた特性に加え、接着性も備えた素材だ。これを用いたアンテナ技術は、伝送損失が低く、軽量で省スペースかつデザイン性の高いIoT(モノのインターネット)機器へのニーズに対応するため、車載機器や電子機器、産業機器などさまざまな製品に、ミリ波向けアンテナを搭載できる。
高速かつ超低伝送損失で大容量のデータが送受信できるミリ波向けアンテナは、次世代高速通信技術の発展に貢献する。今後、同社では、到来する本格的なIoT時代に対応するため、実用化に向けた研究開発やマーケティングをさらに進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- プライベートLTEからローカル5Gへ、ドイツの製造業は進化を止めず
脚光を浴びるIoTだが、製造業にとってIoT活用の方向性が見いだしきれたとはいえない状況だ。本連載では、世界の先進的な事例などから「IoTと製造業の深イイ関係」を模索していく。第5回は、ドイツの製造業が期待を寄せる「プライベートLTE」と「ローカル5G」にスポットを当てる。 - 「5Gは既に現実」、2019年から始まる商用サービス本格化に備えよ
エリクソン・ジャパンは、東京都内で「エリクソン・フォーラム2018」を開催し、次世代携帯電話通信技術である5GやIoT(モノのインターネット)の技術動向を紹介。併せて、エリクソンの戦略について説明した。 - スマート工場が5G待望のキラーアプリに、期待集めるネットワークスライシング
脚光を浴びるIoTだが、製造業にとってIoT活用の方向性が見いだしきれたとはいえない状況だ。本連載では、世界の先進的な事例などから「IoTと製造業の深イイ関係」を模索していく。第5回は、5Gとスマートファクトリーの関係性にスポットを当てる。 - 自動車業界が5Gに手のひらを返した「MWC 2018」、そしてDSRCとの選択が迫られる
これまでスタンドアロンな存在だった自動車は、自動運転技術の導入や通信技術でつながることによって新たな「次世代モビリティ」となりつつある。本連載では、主要な海外イベントを通して、次世代モビリティの行方を探っていく。第2回は「Mobile World Congress 2018」の自動車関連の動向をレポートする。 - 5Gはスマートフォンだけじゃない、クアルコム「全てをつなげるものだ」
クアルコム ジャパンは、クアルコム(Qualcomm)が展開する次世代通信技術の5G関連事業について説明。「導入が始まった5Gだが、2035年までに12兆3000億米ドルもの経済インパクトがあるという調査もある。この数字が正しいかとはともかく、5Gが非常に大きな影響を与えることだけは確かだ」(同社)。 - 5G商用化に向け部品メーカーも加熱、三菱電機が基地局向け光通信用デバイス投入
三菱電機は2018年9月4日、第5世代(5G)移動通信基地局向けの光通信用デバイス「25Gbps EML CAN」を同年11月1日に発売すると発表した。