売上高1兆円を目指す日立のインダストリーセクター、強みは「一体運営」にあり:製造マネジメントニュース(3/4 ページ)
日立製作所の「Hitachi IR Day 2019」において、同社 執行役副社長 インダストリー事業統括本部長の青木優和氏が登壇。2019〜2021年度の中期経営計画を推進する5つのセクターの1つである、インダストリーセクターの事業戦略について説明した。
アマダ、サントリー食品、エフピコとのLumadaデジタルソリューション
これら「際」をつなぐためのLumadaデジタルソリューションは、さまざまな顧客との間で実践の段階に入っている。例えば、アマダとの事例では、タテにつなぐ次世代マニュファクチュアリングとして、プロダクト導入、OTへの展開、IoT化への対応、ITとの融合という段階を踏んで取り組みが進んでいる。サントリー食品インターナショナルとは、ヨコにつなぐ次世代マニュファクチュアリングとして、熟練スタッフによる生産計画立案をLumadaとAIで自動化するとともに、立案時間を40時間から1時間に短縮することにも成功している。
食品トレー大手のエフピコとは、ヨコにつなぐ次世代ロジスティクスとして、ITシステム導入、OTへの展開、OT拡張・保守とアフターサービス強化を進めた上で、2019年からはSCM協調の段階に入っている。
ヨコにつなぐ次世代メンテナスの事例が、日立が2017年に買収したサルエアーの事例だ。これまでに空気圧縮機のプロダクト強化を終え、2019年からはロボットSI事業との連携によるOTとの連携を進め、2020年からはKDDIとの協業で展開する「IoT世界基盤」とつながることでIoT化への対応を果たす。また、場でつなぐ次世代メンテナンスとしては、ある化学メーカーと東京海上日動火災保険との協業が事例として挙げられる。化学メーカーが、日立との協業によりプラント全体の状態変化や異常予兆のリアルタイム診断が可能なIoT化を実現する一方で、東京海上日動火災保険が予兆診断結果に基づいて財務負担を軽減するという内容になっている。
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