売上高1兆円を目指す日立のインダストリーセクター、強みは「一体運営」にあり:製造マネジメントニュース(2/4 ページ)
日立製作所の「Hitachi IR Day 2019」において、同社 執行役副社長 インダストリー事業統括本部長の青木優和氏が登壇。2019〜2021年度の中期経営計画を推進する5つのセクターの1つである、インダストリーセクターの事業戦略について説明した。
「トータルシームレスソリューション」で顧客課題を解決
インダストリーセクターでは、製造業や物流、公共インフラ分野などを対象として、プロダクト×OT(制御技術)×ITにより、次世代マニュファクチュアリング、次世代ロジスティクス、次世代メンテナンスなどのニーズに対応していくことになる。
青木氏は、インダストリーセクターの主要顧客の課題を解決する上での、日立グループと競合他社との違いについて説明した。顧客の課題は、経営から現場に至るまであり、その解決の切り口として、コンサルティング、IT、OT、プロダクトが提案される。「競合他社の取り組みを見ると、コンサルティング、ITシステムインテグレーター、OT系ベンダー、プロダクト系ベンダーがバラバラに顧客課題に対応している。これに対して日立は、グループ内に全てを有する強みがある。そしてこの強みを、インダストリーセクターの一体運営、ITセクターとの連携、さまざまな顧客協創事例を反映したLumadaから成る『トータルシームレスソリューション』として展開し、顧客課題の解決につなげていく」(同氏)という。
トータルシームレスソリューションを展開する上で重視するのが、市場ニーズが多様化、加速化する中で顧客に生じる企業間、組織間の「際」をつないでいくことだ。この「際」は、現場と経営との間、サプライヤーや企業内のサプライチェーンの間で生まれる。これらをLumadaで縦横につなぐことにより、「際」の課題を解決し新しい事業価値の創造につなげていく。また、オープンイノベーションを進めるためには、異業種との間にある「際」もつないでいく必要がある。Lumadaは、ここでのつなぐ場としても活用していくことになる。
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