連載
まずは「Jetson Nano」の電源を入れて立ち上げる:Jetson Nanoで組み込みAIを試す(1)(2/2 ページ)
NVIDIAが価格99ドルをうたって発表した組み込みAIボード「Jetson Nano」。本連載では、技術ライターの大原雄介氏が、Jetson Nanoの立ち上げから、一般的な組み込みAIとしての活用までを含めていろいろと試していく。第1回は、まず電源を入れて立ち上げるところから始める。
次はOSの環境作り
これらが用意できたら(図7)、次はOSの環境作りである。
あらかじめホスト側でmicroSDメモリカード内にJetson Nano用のイメージを構築しておき、Jetson Nanoはここから起動する形になるためだ。Windowsの場合の環境構築手順は以下の通りだ。
- NVIDIAから“Jetson Nano Developer Kit SD Card Image”をダウンロードしておく。ちなみにデータ容量は5.25GBほどであった
- “SD Memory Card Formatter for Windows”をダウンロードしてインストールしておく
- balenaEtcherをダウンロードし、こちらもインストールしておく
- “SD Memory Card Formatter for Windows”を使ってmicroSDメモリカードをフォーマットしておく(図8)
- 1.のイメージのダウンロードが終わったら、balenaEtcherを使ってmicroSDメモリカードにディスクイメージを書き込む(図9)
- 書き込み終わったMicroSDをドーターカードに取り付ける(図10)
図10 これは見やすくするためにキャリアボードから取り外したが、実際に装着する場合はキャリアボードにドーターカードを取り付けたままで問題ない。なお、この状態だとmicroSDメモリカードは装着されていない(奥まで押し込む必要がある)ので注意(クリックで拡大)
では実際にブートしてみよう。microSDメモリカードを装着した状態でACアダプターを通電させると、キャリアボードのLEDが点灯し(図11)、モニターにもNVIDIAロゴが浮かぶはずだ(図12)。
ブートすると、まずNVIDIAのLicense Agreement画面が出てきた後は(図13)、通常のUbuntu Desktop 18.04と同じく言語設定(図14)、キーボード選択(図15)、Timezone選択(図16)、ユーザー情報設定(図17)を終わらせれば素直に起動する(図18)。
試しにMONOistのWebサイトを表示させてみたが、遅めのシンクライアントという感じで普通に使えなくもない(図19)。
ということで、連載の第1回はここまで。次回はもう少しちゃんと使える環境に仕立て上げたいと思う。
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