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軌跡をコントロールするレーザー加工技術、IoTによる自動化など工場の進化を訴求金属加工技術(2/3 ページ)

アマダグループは2019年5月18日〜6月22日までユーザーイベント「AMADA INNOVATION FAIR 2019」(同社伊勢原事業所)を開催。その中で生産性と精度の両立を実現する新たなレーザー加工技術「LBCテクノロジー」搭載のファイバーレーザーマシンや、IoT(モノのインターネット)を活用した新たな工作機械の活用など、さまざまな新製品や新技術を紹介している。

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LBCテクノロジー搭載のレーザー加工機「VENTIS」シリーズ

 アマダではこのLBCテクノロジー搭載のレーザー加工機を製品化。第1号機として「VENTIS-3015AJ」(4kW)を2019年6月1日に発売する。

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LBCテクノロジー搭載第1号機となるレーザー加工機「VENTIS-3015AJ」(4kW)と、アマダホールディングスの代表取締役会長兼CEOの岡本満夫氏(左)と同代表取締役社長の磯部氏(右)(クリックで拡大)

 「VENTIS-3015AJ」は軸移動量3070×1550×100mmで、早送り速度がXY軸は120m/min、Z軸が80m/min、加工送り速度は0〜120m/minとなっている。最大ワーク質量は920kgで、LD励起ファイバーレーザー方式の4kWレーザー発振器を搭載している。マシン寸法は10040×2860×2240mmで、質量は9100kgである。

 特徴となるのが、LBCテクノロジーを採用したことにより、「生産性」「品質」「カーフコントロール」という3つの加工モードを自由に選択可能となっている点である。

 「生産性モード」は、ステンレスやアルミの切断加工における生産性向上を実現するモードである。ステンレスとアルミの中厚板N2無酸化切断において、従来機比2倍以上の高速切断に加え、最大75%の加工コスト低減を実現する。

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「生産性モード」の特徴(クリックで拡大)出典:アマダ

 「品質モード」は、面粗度向上、ドロスレスなどを実現し、切断品質を高めるモードである。品質モードを選択した場合、切断加工品質は従来機比で面粗度が約50%改善し、ほぼドロスのない(10μm以下)高品位な加工が実現可能となるという。

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「品質モード」の特徴(クリックで拡大)出典:アマダ

 「カーフコントロールモード」は、自動化システムの運用時に長時間安定加工を可能とする安定性の高いモードである。LBCテクノロジーによる光の振動により、カーフ(切断幅)を従来機の2.5倍もコントロールできるようになった。これにより、母材との干渉を軽減できるようになり、加工後のテークアウト装置による部品取り出しの安定性が飛躍的に向上し、自動化運用時にも安定的に加工を持続できるようになったという。

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「カーフコントロールモード」の特徴(クリックで拡大)出典:アマダ

 アマダではこれらの特徴を生かし、「VENTIS-3015AJ」の販売目標として年間120台を目指すとしている。「VENTIS-3015AJ」の価格は、1億5000万円前後だとしている。

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