“ソニーらしさ”を再定義、CMOSイメージセンサーはエッジAIを組み込み新価値創造:製造マネジメントニュース(2/3 ページ)
ソニーは2019年5月21日、経営方針説明会を開催。コンテンツの入り口から出口までをカバーするテクノロジーカンパニーとしての立ち位置をあらためて明確化した他、次世代コンソールに注目が集まるゲーム関連事業や、CMOSイメージセンサーを中心とした半導体事業の取り組みについて紹介した。
CMOSイメージセンサーにエッジAIを組み込む
好調が続くCMOSセンサーに支えられた半導体事業では、主力のスマートフォン端末向けに加え、測距や車載などの新規領域の拡大を狙う。
約8割を担うスマートフォン端末向けでは、スマートフォン端末そのものの需要は伸び悩むものの、多眼化や大判化でCMOSセンサー需要そのものは拡大する見通しを示す。さらにスマートフォン端末向けのTOFセンサーなどの採用も広がり、測距などの新たな機能提案も進む見込みだ。「業界トップを堅持するためには、増産投資が必要な状況である」(吉田氏)。
さらに、導入が進み始めた車載用CMOSイメージセンサーが今後拡大していく見通しである。ソニー製CMOSイメージセンサーが搭載されたトヨタ自動車「カローラスポーツ」が、2018年度前期のJNCAP自動車アセスメント「夜間の予防安全性能評価」でトップスコアを獲得するなど、性能面でも強みを発揮しているという。
現状では、車載用CMOSイメージセンサー単体で差別化を推進しているが、将来的にはカメラやミリ波レーダー、LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を組み合わせた、センサーフュージョンの領域にも取り組みの幅を広げる方向性などもしめている。
さらにCMOSイメージセンサーを積層化している強みを生かし、エッジAIをイメージセンサー内に組み込むことで、新たな価値創出に取り組んでいく方針である。「AI技術をCMOSイメージセンサーに組み込むことでセンサーをインテリジェント化できる」と吉田氏はその価値について訴える。
今後はエッジAIとイメージセンサーを融合させ、これらをアプリケーションに直結することでリカーリング収益モデルを模索するという。AI技術についてはソニー内でも開発を進めているが「アライアンスも積極的に進めていく。マイクロソフトとの協業はこのAI領域での活用の意味もある」(吉田氏)とし、パートナーの拡大に取り組んでいく方針である。
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