高生産性を追求した超大型ハイサイクル電動射出成形機、段取り時間を短縮:FAニュース
東芝機械は、最新コントローラーを搭載した電動式射出成形機「EC-SXIII」シリーズに、超大型ハイサイクル電動射出成形機「EC1300SXIII」を追加した。ドライサイクルタイムや段取り時間を大幅に短縮する。
東芝機械は2019年5月9日、最新コントローラーを搭載した電動式射出成形機「EC-SXIII」シリーズに、超大型ハイサイクル電動射出成形機「EC1300SXIII」を追加した。
EC1300SXIIIは、サーボモーター駆動を改良し、移動ダイプレート支持構造にリニアガイド方式を採用して、型開閉摺動の抵抗を低減した。加えて、ダイナミック加減速制御による高速ショックレス型開閉により、ドライサイクルタイム(型開閉+ロックアップ時間)を従来機比で20%と大幅に短縮している。
多品種少量生産では段取り回数が増加するが、これに対応するため、高速型厚調整仕様とし、電動トグル機構の課題の1つである型厚調整時間を大幅に短縮。同社従来機と比べ、調整時間を67%短縮した。
また、オレフィン系樹脂の大型成形品需要に対応するため、高可塑化能力、高混練のスクリューを新開発した。これにより、PP樹脂の成形で同社従来機比1.3倍となる高可塑化能力を達成した。マスターバッチ着色は、新開発の高分散エレメントを組み合わせることにより、良好な色分散となっている。
EC-SXIIIシリーズには、新型コントローラー「INJECTVISOR-V70」が採用されており、射出成形機と周辺機器の接続機能を拡充し、射出成形機本体から周辺機器の条件を設定したり、モニタリングにより稼働状況を把握することも可能だ。周辺機器の設定も一括管理できるため、条件の設定ミスを防止し、工数を低減する。
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