ニュース
着火しても自動鎮火して燃え広がらない3Dプリンタ用素材:3Dプリンタニュース
Markforgedは、難燃性の産業用3Dプリンタ素材「Onyx FR」を発表した。着火しても自動鎮火し燃え広がらないため、難燃性が重要となる航空宇宙、自動車、防衛分野などでの利用に適している。
航空宇宙、自動車、防衛分野向けに
Markforgedは2019年5月2日、難燃性の産業用3Dプリンタ用素材「Onyx FR」を発表した。同社の3Dプリンタ、インダストリアルシリーズで利用できる。
Onyx FRは、カーボンファイバーを含有し、高い強度、精度、表面品質が特徴のV-0レートの難燃性素材だ。従来のプラスチックマテリアルと違い、着火しても自動鎮火して燃え広がらないため、難燃性が重要となる航空宇宙、自動車、防衛分野などでの利用に適している。
同社のクラウドベースのソフトウェアプラットフォーム「Eiger(アイガー)」での利用が可能。簡単にパーツをデザインし、材料を選択後は、ワンクリックするだけでクラウド上に接続された世界中の同社プリンタで出力できる。
同社の製品開発副社長Jon Reilly氏は「Onyx FRは、公の燃焼安全基準を満たしているため、広範な分野での活用が期待される。連続カーボンファイバーを埋め込んで強度を増せば、エアクラフトグレードのアルミニウムと同等の強度を半分の重量で達成できる」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 3Dプリンタはインダストリー4.0の重要なピース?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第14回となる今回は、インダストリー4.0の動きと合わせて再注目されている3Dプリンタの動向とその理由について紹介します。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - 金属3Dプリンタ活用3つのハードルと日本のモノづくりの今後
金属3Dプリンタ関連の技術開発が急速に進み、海外を中心に製造事例も聞こえてくるようになった今日、その動きに取り残されないよう、従来の考え方や経験にとらわれない仕事をしていくことが、今後はより重要になっていきそうだ。 - 金属3Dプリンタは量産対応とともに「誰でも使える」を目指す、ソフトウェアも続々
東京ビッグサイトで「第29回 設計・製造ソリューション展(DMS2018)」が開催された。その中で金属3Dプリンタは海外を中心に10社以上の製品が並んだ。 - 足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。