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3Dプリンタはインダストリー4.0の重要なピース?いまさら聞けない第4次産業革命(14)(1/3 ページ)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第14回となる今回は、インダストリー4.0の動きと合わせて再注目されている3Dプリンタの動向とその理由について紹介します。

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本連載の趣旨

 本連載は、「いまさら聞けない第4次産業革命」とし、第4次産業革命で製造業が受ける影響や、捉える方向性などについて、分かりやすくご紹介していきたいと考えています。ただ、単純に解説していくだけでは退屈ですので、架空のメーカー担当者を用意し、具体的なエピソードを通じて、ご紹介します。

※)本連載では「第4次産業革命」と「インダストリー4.0」を、意味として使い分けて表記するつもりです。ドイツ連邦政府が進めるインダストリー4.0はもともと第4次産業革命という意味があります。ただ、本稿では「第4次産業革命」は一般用語として「IoTによる製造業の革新」を意味する言葉として使います。一方で「インダストリー4.0」はドイツでの取り組みを指すものとします。


本連載の登場人物

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矢面 辰二郎(やおもて たつじろう)

自動車部品や機械用部品を製造する部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長。ある日社長から「君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われたことから、話が始まる。多少優柔不断。印出研究所に入り浸っている。


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印出 鳥代(いんだす とりよ)

ドイツのインダストリー4.0などを中心に第4次産業革命をさまざまな面で研究するドイツ出身の研究者。第4次産業革命についてのさまざまな疑問に答えてくれる。サバサバした性格。


*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。

前回のあらすじ

第13回:「インダストリー4.0の地味化はいい傾向?悪い傾向?

あらすじ背景

 従業員200人規模の部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長である矢面辰二郎氏はある日、社長から「新聞で読んだけど、君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われます。しかし、「第4次産業革命」といわれても「それが何なのか」や「どう自分たちの業務に関係するのか」がさっぱり分かりません。そこで、矢面氏は第4次産業革命研究家の印出鳥代氏に話を聞きに伺うことにしました。


 さて前回は、インダストリー4.0の概念の発祥地であり、毎年進捗確認の場としても利用されているハノーバーメッセ2017の中で見られた「地味化」の傾向について紹介しました。印出さんは「地味化」について以下のように述べていたんでしたね。

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ネガティブな話ではないのよ。現実的で地に足が付いた提案が増えてきたなという意味なの。


 ハノーバーメッセでインダストリー4.0の概念が提唱されたのは2011年のことです。さらに本格的にさまざまな提案が出始めたのが、2014年頃からでしょうか。この頃は「RAMI4.0」が公開されたタイミングと合わせ、「インダストリー4.0とは何か」を示す「理想像」を描く展示が多く出展されました。しかし、現実的な課題にぶち当たるようになり、こうした課題を解決し小さくても確実に成果を生みだすことができるシステムなどにも注目が当たり始めたのです。

 印出さんは「地味化」をポジティブに捉えていたのでしたよね。さらに、地味で小さな取り組みが「成功の形」だと示したのでした。

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1つ1つは小さくて地味かもしれないけど、シンプルで簡単で価値の出しどころが見えている仕組みがいくつも出てきているというのは非常に頼もしいことだと思うわ。IoT(モノのインターネット)の成功の形ができてきているということですもの。


 さて、今回は「ハノーバーメッセ2017」で多く関連する出展があった「3Dプリンタ」について、インダストリー4.0との関係を紹介したいと思います。

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