トヨタ マテリアル ハンドリングが物流にAzureを活用:製造IT導入事例
Microsoftは、AIやIoT、クラウドなど同社のさまざまな技術を、世界最大規模のフォークリフト製造会社であるトヨタ マテリアル ハンドリング グループが活用していると発表した。
Microsoftは2019年4月8日、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、クラウドなど同社のさまざまな技術を、世界最大規模のフォークリフト製造会社であるトヨタ マテリアル ハンドリング グループ(TMHG)が活用していると発表した。
例えば、Microsoft Azureの機械学習とIoTサービスによって、顧客の倉庫の仮想モデルとなる「デジタルツイン」を構築。物理環境をシミュレーションして視覚化することで、IoTソリューションをカスタマイズして展開するまでの時間が大幅に短縮できる。
同プロジェクトの導入により、インテリジェントフォークリフトや無人搬送車が相互にコミュニケーションを取って、適切な車両が正確なタイミングで目的の場所に移動するなど、TMHGの顧客に大きなメリットをもたらす。
また、MicrosoftとTMHGのエンジニアが構築した、溶接時の音から溶接品質を評価できるAIアルゴリズムは、製品品質や顧客満足度の向上、新入社員向けトレーニングなどに活用されている。
さらに、今春展開予定のテレマティクスソリューションとAzure IoT Edgeを用いた車両管理システムは、フォークリフトの利用状況を把握して、メンテナンス計画に役立てられるなど、倉庫内の作業効率化や安全性向上に貢献する。
加えて、TMHGでは、Dynamics 365を活用したフィールドサービスソリューションを導入。今後、Azure IoTを工場の予測メンテナンスに活用することも検討している。
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