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医薬品原体のオンデマンド生産を可能にする連結型生産設備の開発:医療機器ニュース
高砂ケミカルなど8社は、コンビニサイズの医薬品原体用連続生産設備「iFactory」の開発事業を加速させる。同設備は製造ラインを容易に再構成できるため、効率的なオンデマンド生産が可能になり、二酸化炭素の排出量を大幅に削減する。
高砂ケミカルは2019年4月10日、同社を含めた参画企業8社で、コンビニサイズの連続生産設備「iFactory(アイファクトリー)」の開発事業を加速させると発表した。
現在、医薬品原体は、複雑な構造を持つ化合物が合成できる「バッチ型」で製造されている。同プロセスでは、多くのエネルギーや労力を必要とし、排出される廃棄物も大量になる。
iFactoryは、連続合成法とバッチ連続型を組み合わせたモジュール型製造装置を連結した、コンビニサイズの連続生産設備だ。モジュール型製造装置「iCube」は、キューブ型のフレームに「反応」「洗浄、溶媒交換」「晶析」「ろ過」「乾燥」などの単位操作が可能な装置を収納したもので、これらを相互に連結させることで容易に製造ラインが構築できる。
原料や生産品目の変更に応じてユニットの種類や配置を変更し、製造ラインを再構成できるため、柔軟で効率的なオンデマンド生産が可能になる。その結果、二酸化炭素排出量の大幅削減にも貢献する。
参画企業は、高砂ケミカル、田辺三菱製薬、コニカミノルタケミカル、横河ソリューションサービス、テックプロジェクトサービス、大成建設、島津製作所、三菱化工機の8社。同事業は2023年2月まで実施する予定で、特定目的会社iFactoryを設立し、iFactoryの普及を進める。
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