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マツダのコモンアーキテクチャとフレキシブルライン生産を支えるデジタル変革DMS2019(1/2 ページ)

モノづくりの専門展「日本ものづくりワールド 2019」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)の基調講演に、マツダ 常務執行役員 グローバル生産・グローバル物流担当の圓山雅俊氏が登壇。「マツダのモノ造り〜モノ造りの志と挑戦〜」をテーマに、同社の基盤となるモノづくりにかける志と挑戦の歴史などを紹介した。

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 モノづくりの専門展「日本ものづくりワールド 2019」(2019年2月6日〜8日、東京ビッグサイト)の基調講演に、マツダ 常務執行役員 グローバル生産・グローバル物流担当の圓山雅俊氏が登壇。「マツダのモノ造り〜モノ造りの志と挑戦〜」をテーマに、同社の基盤となるモノづくりにかける志と挑戦の歴史などを紹介した。

「One and Only」を目指すマツダのビジョン

 マツダは広島発の自動車メーカーとして、1920年に創業。2018年3月期の売上高は3兆4780億円。従業員数は約4万9千人。グローバル販売台数は163万台で、販売地域は130カ国に及ぶ。約87%が海外販売となっている。

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マツダ 常務執行役員 グローバル生産・グローバル物流担当の圓山雅俊氏

 国内生産比率は63%で、生産拠点はグローバルで11カ所(車両一貫生産およびユニット工場3拠点、車両一貫生産工場2拠点、ユニット生産工場2拠点、ノックダウン生産工場4拠点)。国内は広島と防府(山口県)に拠点を構える。

 マツダはブランドメッセージとして「Zoom-Zoom」を2002年に掲げた。Zoom-Zoomは、子どもが自動車や自動車の走行音を表す表現のブーブーにあたる英語だが、「この子どもの頃に自動車に抱いた憧れや走る感動をユーザーに提供し、規模は大きくなくても、ユーザーにとってかけがえのない存在『One and Only』であることを目指すことを、このメッセージに込めている」(圓山氏)という。

 マツダブランドの原点は「開拓者精神」「モノ造りへこだわり抜く」「飽くなき挑戦の歴史」「地域に根差し、地域にそして地球に貢献」にあり、園山氏は「これらが、コーポレートビジョンであり、われわれが目指すマツダらしさである」と強調した。

多車種混流フレキシブルラインへの挑戦

 同社のモノづくりの歴史を振り返ると「Just on Timeにかける理想の追求」として多車種混流フレキシブルラインへの挑戦がある。同社のモノづくりの哲学であるマツダ生産方式には「Just on Time」と「価値編成」という2本柱がある。価値編成は人とモノ、設備の動きがユーザーの価値基準で品質を向上させていくというもので、価値基準とJust on Timeの実践により、品質と工程、設備の高効率化を両立させている※)

※)関連記事:マツダの「モノづくり革新」を推し進めるTPM活動の神髄とは

 もともとマツダの生産革新への歴史として、1960年に本社F(府中)工場で同期生産への挑戦を開始した。当時は多種混流生産を実現するための、モジュール方式での車両組み立て、日本初のIBM650コンピュータによる生産管理方式、組み立てラインの部品供給にマーシャリングシステムの採用など、数々の先進的な製造技術、生産システムを導入した。

 ただ、同期生産はトラックについては実現したものの、乗用車は要求品質が高く、塗装外観の品質不良で一時挫折している。その後、この課題を解決(ゼロ欠点に向けた挑戦)するため、塗装の品質不良であるブツ不良を、勘と経験だけに頼らず科学的に要因の特定に取り組んだ。毛ごみ、繊維ごみ、黒色ごみなど各種ごみを科学的分析により層別を行い、結果に直接影響する要因系を代用特性として、管理と改善により徹底的にゼロ化を進め、ごみが無い状態を実現し、生産革新を実現した。

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