LTE-MとNB-IoTに対応した小型LPWAモジュール:組み込み開発ニュース
村田製作所は、IoT機器向けとなるLTE規格であるCat.M1(LTE-M)とNB-IoTに対応した小型LPWAモジュール「Type 1WG」「Type 1SS」を開発した。ヨーロッパと国内では一部のキャリアで認証取得済みで、量産向けサンプル出荷開始を2019年秋頃に予定している。
村田製作所は2019年4月2日、IoT(モノのインターネット)機器向けLTE規格Cat.M1(LTE-M)、NB-IoTに対応した小型LPWA(Low Power Wide Area)モジュール「Type 1WG」「Type 1SS」を発表した。ヨーロッパと国内では一部のキャリアで認証取得済みで、量産向けサンプル出荷開始を2019年秋頃に予定している。
Type 1WGは、Cat.M1とNB-IoTに対応。サイズは12.2×12.0×1.6mmで、モデムチップはAltair Semiconductor製の「ALT1250」だ。Type 1SSは、NB-IoTのみに対応し、サイズは10.6×13.2×1.8mm。モデムチップはMediatek製「MT2625」となる。
一般的なLPWAモジュール(18×16×2mm)と比べ、底面積が約50%に縮小した。これにより、電子回路の高密度回路設計が可能になる。
また、消費電力を低減するため、eDRX(extended Discontinuous Reception)とPSM(Power Saving Mode)技術を採用。待受時の電波受信頻度を下げるとともに、PSMでは限られた時間帯にのみ電波を受信する。待機モードで3.5μA以下を達成した。
電気、ガス、水道の遠隔検針などのスマートメーターやインフラの維持管理など、IoT機器の小型化と長期的な遠隔モニタリングに対応するとしている。
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