名刺大FPGA開発ボード「Ultra96」は3万円、推論アルゴリズムの実装も容易に:ESEC2019&IoT/M2M展
アヴネットは、「第8回 IoT/M2M展 春」において、名刺サイズのFPGA開発プラットフォーム「Ultra96」を用いた画像認識デモを披露した。
アヴネットは、「第8回 IoT/M2M展 春」(2019年4月10〜12日、東京ビッグサイト)において、名刺サイズのFPGA開発プラットフォーム「Ultra96」を用いた画像認識デモを披露した。
Ultra96は、ザイリンクスのプログラマブルSoC「Zynq UltraScale+ MPSoC(以下、MPSoC)」を搭載する開発ボードだ。Linaroが提唱する「96Boards Consumer Edition」仕様に準拠しており、外形寸法は85×54mmで、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能、USBやMini DisplayPortなどのインタフェース、2GBのLPDDR4メモリなどを備えている。高価な最先端のプログラマブルSoCであるMPSoCを搭載しながら、販売価格は「破格の」(アヴネットの説明員)3万円を実現している(搭載するMPSoCの品種は「ZU3EG」)。
デモでは、ザイリンクスが2018年7月に買収したDeePhi Techの深層学習(ディープニューラルネットワーク)開発キット「DEEPHi DNNDK」を用いて、顔認識や姿勢検出の推論アルゴリズムをUltra96のMPSoCに実装。来場者の顔認識などを行っていた。「MPSoCのFPGA回路を活用することで、CPUだけを使うのと比べて約10倍の処理性能を実現している。顔認識であれば十数fpsくらい出ているだろう」(同説明員)。
Ultra96と同様の小型開発ボードでは、2019年3月にNVIDIAが販売価格99米ドルで発表した「Jetson Nano」などがある。「エッジで推論アルゴリズムを動かす場合、実用的には浮動小数点ではなく固定小数点で演算処理することになるだろう。その場合MPSoCは、高い処理性能だけでなく消費電力も抑えられる点で実用的だ。また、FPGAへの推論アルゴリズム実装が難しいという話もよく聞くが、今回使ったDEEPHi DNNDKはとても使いやすいので試してほしい」(同説明員)としている。
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